2007-01-01から1年間の記事一覧

量子論(飛び飛びの状態)量子飛躍

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。 量子論による一大新事実は、「自然という書物」の中に不連続性というものが発見されたことである。 原子の大きさ程度の体系は、その本性上、あるいくつかの飛び飛…

X線によって引き起こされる突然変異

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。 突然変異が子孫に現れる百分率、すなわち、突線変異率は、両親にX線またはガンマー線を照射することによって、自然に起こる突然変異の僅少な率の何十倍にも増すこ…

突然変異は稀な出来事でなければならない

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。 突然変異が、自然淘汰を営む要素として適切なものであるためには、それは希にしか起こらない出来事でなければならない。もしも突然変異がしばしば起こるものであ…

遺伝子の座、劣性と優性

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。 突然変異は、一個の染色体の中の一定の部分に起こるある変化により引き起こされる。 突然変異は、生物の型を変えるのにただちに効果を現すか否かに従って、優性あ…

突然変異種は育種可能である、すなわちそれは完全に遺伝する

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。 突然変異は完全に遺伝する。突然変異というものは、明らかに親譲りの財産にある変化が起こったものである。 突然変異種がそのまま遺伝するということにより、突然…

不連続な突然変異(自然淘汰の行われる根拠)

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。 ダーウィンは、最も均質な集団の中にさえも必ず現れる小さな連続的な偶然変異がもとになって自然淘汰が行われると考えたが、今日ではこの点に関してはダーウィン…

遺伝子の永続性

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。 第1の驚異:固体の目に見える外に現れる性質が、何世代にもわたり大きな変化もなく再生産され、数世紀の間持続し、親から子へと伝えられるたびごとに、接合して受…

遺伝子の大きさの限界

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。 一個の遺伝子の占める容積は大ざっぱにいって、1辺300オングストロームの立方体の容積に等しい。 300オングストロームというのは、液体または固体の中での原子間…

減数分裂と受精(接合)

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。 個体の成長がはじまるとすぐに、一群の細胞が、後になって配偶子をつくりだすために別にしておかれる。その配偶子は、場合によって精子だったりあるいは卵細胞だ…

有糸分裂では、すべての染色体がそれぞれ二つになる

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。 分裂してできた二つの「娘細胞」のどちらも、親細胞の染色体とまったく同様な二揃いの染色体を完全に持参している。したがって、全ての体細胞は、その染色体とい…

生物体は細胞分裂(有糸分裂)で成長する

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。 生物体の成長は、細胞が次々と分れることによって行われる。卵は二つの娘細胞に分裂し、それらは次の段階で四つの細胞になり、次に8、16、32、64と増えていく。分…

自民惨敗37議席、民主躍進60議席・参院選全議席確定

29日投票が行われた参議院選挙は、自民の惨敗、民主の躍進で幕を下ろした。各新聞社の社説は、この結果を踏まえたものとなっている。 日経産業新聞と読売新聞は、安倍首相続投に関して、肯定的な書き方をしている。ただ、日経と読売では若干ニュアンスが違…

遺伝の暗号文(染色体)

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。 「四次元的な型」というのは、卵細胞が受精してから、成熟して生殖を行いはじめる成熟期に至るまでの個体発生の全期間に関するものを意味する。 この四次元型の全…

古典物理学者の予想は、決して詰まらぬものとは言い捨てられないが、誤っている

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。 生物、および生物が営む生物学的な意味合いをもつあらゆる過程はきわめて「多くの原子からなる」構造をもっていなければならない。そして、偶然的な「一原子によ…

分子数の平方根の法則([tex:\sqrt{n}]の法則)

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。 いまある気体が、ある温度と圧力の条件下である密度をもっているとする。これを私が、ある容器の中に、この条件の下で気体分子がちょうどn個含まれている、という…

測定の精度の限界

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。 一つの軽い物体を一本の細くて長い繊維で吊して、釣り合いの位置に保たせたものを、物理学者は弱い力を測定するのによく使う。これは「ねじり秤」といって、ごく…

第二の例(ブラウン運動、拡散)

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。 いま仮に、閉じたガラスの容器に微小な液滴から成る霧をみたしたとすると、やがて霧の上側の境界が一定の速度でだんだん下へ下がってくることがわかる。その速度…

法則の精度は、多数の原子の参与していることがもとになっている

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。 細長い石英の管に酸素ガスをみたして、それを磁場の中に入れると、ガスが磁化される。この磁化は、酸素の分子が小さな磁石であって羅針盤の針のように磁場の方向…

物理法則は原子に関する統計に基づくものであり、近似的なものにすぎない

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。 原子はすべて、耐えずまったく無秩序な熱運動をしている。この運動が原子自身が秩序正しく整然と行動することを妨げ、少数個の原子間に起こる事象が何らかの判然…

生物体の働きには正確な物理法則が要る

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。 脳およびそれに付随した感官系のような器官は、それに物理的な変化が行われる状態が、高度に発達した思考と密接に対応するためには、なぜ必ず莫大な数の原子から…

原子はなぜそんなに小さいのか?

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約 原子というものは実際まったく小さなもの。われわれが日常生活で取り扱うものは、どんな一片の物質でも、とほうもなく多数の原子を含んでいる。 ケルヴィン卿の使っ…

新潟県中越沖地震情報

地震の被害にあわれた方々に対して心よりお見舞い申し上げます。 情報収集のため、地震情報のリンクを置いておきます。 新潟県のサイトが一番充実しているみたいです。 Wikipediaにもうページができていたのにはビックリ! 気象庁 国土地理院 「平成19年(200…

統計物理学からみて、生物と無生物とは構造が根本的に異なっている

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約 今日では、生物学者たち、それも主に遺伝学者たちの、過去3、40年間の巧妙な研究のおかげで、生物体の内部で時間的・空間的に起こっていることを今日の物理学と化学…

E.シュレーディンガー著「[asin:4004160804:title]

」のまえがき 今回から、E.シュレーディンガーの「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」の要約を記録していくつもりだが、それにあたり、まえがきのみ前文を引用する。この本が書かれたのは、1940年代だが、すでにこの頃でも、今日、科学の…

ゴットフリート・ヴィルヘルム・フォン・ライプニッツ(2)

E.オマール著「不思議な数eの物語」より引用。 ライプニッツは1675年頃初めて彼の微分法と積分法を思いつき、1677年までには十分発展した、実用的な体系を有していた。彼のやり方はニュートンとはその出発点から異なっていた。すでに見たように、ニュート…

地球温暖化を考えるとき

メモしておかないと忘れてしまうので、本当の意味での覚書です。 石油が枯渇しようとしまいが、質量保存の法則に従い、原子のレベルで考えると地球上の物質の量は変わらない。従って、地球上の炭素と酸素の比率は枯渇前後で変わらない。 それでは、何が変わ…

ゴットフリート・ヴィルヘルム・フォン・ライプニッツ(1)

E.オマール著「不思議な数eの物語」より引用。 ニュートンとライプニッツは一緒にして微積分学の共同発明者といわれるのが常である。しかし、二人は性格的にはほとんど似たところがなかった。ゴットフリート・ヴィルヘルム・フォン・ライプニッツ男爵は164…

アイザック・ニュートン(8)

E.オマール著「不思議な数eの物語」より引用。 微積分の発明は、2000年前にユークリッドが「幾何学原論」の中で古典幾何学の主要部分を編簿して以来の、数学における唯一最重大の出来事であった。これが数学者の考え方、研究の方法を永久に変えることにな…

アイザック・ニュートン(7)

E.オマール著「不思議な数eの物語」より引用。 次に、ニュートンは接線問題の逆を考えた:流率が与えられたとき流れを求める問題。一般的にいって、これはもっと難しい問題である(割り算が掛け算よりもむずかしく、平方根を求める方が2乗するよりむずかし…

アイザック・ニュートン(6)

E.オマール著「不思議な数eの物語」より引用。 ニュートンの出発点は、互いに関係し合う二つの変数を方程式によって考えることであった。例えば(今日、このような関係を関数と呼び、がの関数であることを示すためにと書く)。そのような関係は、平面のグ…