2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ヘモグロビンの形成過程

ジェームス・D・ワトソン、アンドリュー・ベリー著「DNA (上)―二重らせんの発見からヒトゲノム計画まで (ブルーバックス)」からの抜粋。 具体的にヘモグロビンというタンパク質がどのように形成されるかを見ておこう。 赤血球は、酸素の輸送を専門とする細…

予防原則というマジック

10月27日の原告尋問での松井氏の発現を聞いていると、リスクコミュニケーションのパネルディスカッションで、環境ホルモンを扱う場合、予防原則の立場に立って、研究を進めるのがよいと言いたかったみたいだ。当日使われたレジメを見ると、最後の一枚の…

全体の感想

今回の証人尋問を聞いていて、全然関係ないのですが、次のような場面を想像してしまいました。それは、子どもが片思いをしている場面です。子どもには、とっても好きな人がいます。しかし、その気持ちを相手に伝えることができません。子どもは、その好きな…

学者の姿勢について

被告がホームーページで書いた内容は、学者が発言を行うときの姿勢について注意換気したものです。特に、原告を中傷して書いてはいません。ところが、原告弁護側は、最初から環境ホルモン推進派と否定派の対立があり、その中で今回の訴訟が起きたという筋書…

ホームページの内容削除後の対応について

原告からの指摘で、ホームページの内容を被告が削除した後の対応について、原告は、名誉回復の対応を被告が何も行っていない。従って、訴えたとの発言がありました。しかし、この部分、原告は被告に名誉回復のためにこうして欲しいという要望を出していませ…

被告からのメールに対する原告の受け取り方について

原告側の尋問では、被告からのメールに関して「失礼だ」を連発していました。ただ、何が失礼なのかは述べていません。シンポジウムの発表内容を事前に原告が被告へ送っています。その内容が、パネルディスカッションに不向きということで、被告が原告に訂正…

パネルディスカッションで発表した内容について

原告側の尋問では、環境ホルモンシンポジウムで原告が発表した内容について、延々とその補足が行われました。事前に原告側が用意していたシンポジウム当日に発表したレジメ(実際に発表に使用したものに、要点を加えられたもの)を傍聴席にも配布し、説明を…

原告証人喚問

昨日、横浜地裁で行われた環境ホルモン訴訟の原告証人尋問を傍聴してきました。何が名誉毀損にあたるのか、この尋問で明らかになることを期待して、傍聴したのですが、原告側は、今までの主張を繰り返しただけで、心の中にあるモヤモヤが消えることはありま…

暗号解読

ジェームス・D・ワトソン、アンドリュー・ベリー著「DNA (上)―二重らせんの発見からヒトゲノム計画まで (ブルーバックス)」からの抜粋。 暗号がトリプレットになっていること、そしてDNAとタンパク質を結びつけているのはRNAであることはわかった。し…

フレームシフト

ジェームス・D・ワトソン、アンドリュー・ベリー著「DNA (上)―二重らせんの発見からヒトゲノム計画まで (ブルーバックス)」からの抜粋。 1961年、ケンブリッジ大学でブレナーとクリックは、暗号がトリプレットであることを示す決定的な実験を行った。彼…

セントラル・ドグマ

ジェームス・D・ワトソン、アンドリュー・ベリー著「DNA (上)―二重らせんの発見からヒトゲノム計画まで (ブルーバックス)」からの抜粋。 フランシス・クリックは後に、DNA→RNA→タンパク質という情報の流れを“セントラル・ドグマ”と呼んだ。この考えは…

ガモフの登場

ジェームス・D・ワトソン、アンドリュー・ベリー著「DNA (上)―二重らせんの発見からヒトゲノム計画まで (ブルーバックス)」からの抜粋。 二重らせん構造を発表してまもなく、フランシス・クリックと私は、ロシア生まれの著名な理論物理学者、ジョージ・ガモ…

形質転換を引き起こしているのはDNA?

ジェームス・D・ワトソン、アンドリュー・ベリー著「DNA (上)―二重らせんの発見からヒトゲノム計画まで (ブルーバックス)」からの抜粋。 DNAが一躍注目されるようになったのは、1944年、ニューヨークのロックフェラー研究所のオズワルド・エーヴリー…

エルヴィン・シュレーディンガー著「生命とは何か」

ジェームス・D・ワトソン、アンドリュー・ベリー著「DNA (上)―二重らせんの発見からヒトゲノム計画まで (ブルーバックス)」からの抜粋。 私が遺伝子に夢中になったのは、1944年に出た「生命とは何か」という小さな本に感動したからだった。著者は、オー…

遺伝学史上最大の汚点

ジェームス・D・ワトソン、アンドリュー・ベリー著「DNA (上)―二重らせんの発見からヒトゲノム計画まで (ブルーバックス)」からの抜粋。 ヒトラーの「我が闘争」は、似非科学にもとづいた人種差別主義者の大言壮語であるれかえっている。それは、ドイツ民族…

断種法と科学的人種差別

ジェームス・D・ワトソン、アンドリュー・ベリー著「DNA (上)―二重らせんの発見からヒトゲノム計画まで (ブルーバックス)」からの抜粋。 全般として見れば、不適切な人間が子どもを作らないようにするという、消極的優生学が盛んになったことのほうが悲惨な…

消極的優生学

ジェームス・D・ワトソン、アンドリュー・ベリー著「DNA (上)―二重らせんの発見からヒトゲノム計画まで (ブルーバックス)」上からの抜粋。 ゴールトンが、遺伝的に優れた人々に子どもをもつように奨励する「積極的優生学」を説いたのに対し、アメリカの優生…

優生学の誕生

ジェームス・D・ワトソン、アンドリュー・ベリー著「DNA (上)―二重らせんの発見からヒトゲノム計画まで (ブルーバックス)」上からの抜粋。 ダーウィンは、遺伝的変異は、彼自身の言う“生存競争”において有利になる個体が生じることを意味すると指摘した。(…

遺伝子の発見

ジェームス・D・ワトソン、アンドリュー・ベリー著「DNA (上)―二重らせんの発見からヒトゲノム計画まで (ブルーバックス)」からの抜粋。 遺伝のしくみを正しく捉えた人物こそグレゴール・メンデルである。(中略) 1856年ごろ、メンデルは修道院長ナッ…

翻訳者:青木薫さん

今、読んでいるジェームス・D・ワトソン、アンドリュー・ベリー著「DNA」も青木さんの翻訳した本である。サイモン・シンの本「フェルマーの最終定理」、「暗号解読」、「ビッグバン宇宙論」も青木さんの翻訳だった。青木さんの翻訳は非常に読みやすい。…

遺伝学の最大の功労者

ジェームス・D・ワトソン、アンドリュー・ベリー著「DNA (上)―二重らせんの発見からヒトゲノム計画まで (ブルーバックス)」からの引用。 私たちは何世代にもわたり、最初の目的にかなった種だけを飼い慣らし、次にはたくさん仔を産む牛や、大きな実のなる果…

言語野は万能ではない

酒井邦嘉著「言語の脳科学―脳はどのようにことばを生みだすか (中公新書)」からの引用。 私の考えでは、サルの脳が万能であっても一向に構わない。知覚や記憶に関する複雑な情報を扱うには、脳の能力ができるだけ高いことが望ましい。しかし、もし人間の脳の…

右利きと左利き

酒井邦嘉著「言語の脳科学―脳はどのようにことばを生みだすか (中公新書)」からの引用。 右利きの人の約96%は、言語機能が左脳に局在している。従って、右利きの人で失語症が起こるのは、左脳に損傷を受けた場合がほとんどである。このように、特定の機能…

鉱物資源のリサイクル状況

顧客向け情報誌に連載している記事を転載。表1をうまく貼り付けられません。文章から類推してください。1.地球にはどのくらい資源があるのか 日本に暮らしていると、お金さえ払えば何でも購入できると思ってしまいます。スーパーに行けば、食料品は手には…

脳の決定論

酒井邦嘉著「言語の脳科学―脳はどのようにことばを生みだすか (中公新書)」からの引用。 動物は、遺伝子によって、体の形だけでなく行動の特徴までが決められている。多くの人にとって、これは驚きだろう。この考えは、1970年代初めにアメリカのベンザー…