覚書

物語の役割

同題の新書を小川洋子さんが出されている。その中で、次のような文面がある。 たとえば、非常に受け入れがたい困難な現実にぶつかったとき、人間はほとんど無意識のうちに自分の心の形に合うようにその現実をいろいろ変形させ、どうにかしてその現実を受け入…

ちょっとしたネタ切れ

昨日は、一日雨で、一昨日のゴルフの疲れもあり、いつものように歩くのがおっくうになり、部屋でテレビを一日見ていた。ほんとうなら、こういう時間を使ってブログの内容を整理してみるとか、今後のネタの仕入れを行うとかすればいいのだろうけれど、根が無…

「博士の愛した数式」が描いている年

小川洋子著「博士の愛した数式」を読み終えてしまった。久しぶりに読んだ小説だったが、非常に面白かった。小川洋子氏の小説を読むのはこれが初めて。小説の構成のうまさには脱帽した。小説を読んでいると、残りのページ数が気になるときがある。読むのがう…

80分しか持たない記憶

小川洋子著「博士の愛した数式 (新潮文庫)」の中で、数学者である博士の記憶は、80分しか持たない。80分を過ぎると、80分前のことをすっかり忘れてしまうのだ。家政婦のわたしが、買い物に出て、80分直ぐ手から戻ると、博士は、初対面の人に会ったと…

静寂のはなれ

「博士の愛した数式 (新潮文庫)」の続き。家政婦のわたしと息子のルートは、80分しか記憶が維持できない博士を阪神タイガース戦に連れ出すことに成功する。博士の記憶は、交通事故で記憶を失う前のままだから、当然阪神タイガースの選手もその時代の選手で留…

道徳的に許容できることに関する基準の着実な移行

リチャード・ドーキンス著「神は妄想である―宗教との決別」からの引用。 アメリカのイラク侵攻は、市民のあいだに犠牲者を出したがゆえに広汎な非難を受けているが、しかしそうした犠牲者の数値は、第二次世界大戦において同様の状況で得られたであろう数字…

クリアビューゴルフ&ホテル水没

台風9号の爪痕。クリアビューゴルフ&ホテルが水没した。メンバーになってから大がかりな水没は初めて。クリアビューゴルフ&ホテルは、利根川沿いにある河川敷ゴルフ場。他の河川敷よりは水没しにくいと言われていたが、さすがに、今回はダメだったようだ。…

草加で殺人事件

草加で殺人事件が一昨日あった。 朝日新聞 路上、刺され78歳男性死亡 埼玉・草加2007年09月05日00時33分 4日午後7時20分ごろ、「人を刺した」と埼玉県草加市の公衆電話から110番通報があった。草加署員が同市草加2丁目の公衆電話に向かったところ…

台風9号、関東へ接近

台風9号が関東に接近している。7日の深夜に東海か関東に上陸しそうだ。気象庁の6時50分の発表をみると、中心気圧は、965hPa、中心付近の最大風速は35m/s、25m以上の暴風域は、全域110km、15m以上の暴風域は、北東側390km、南西側310km、北北西に15m/sで進…

近似

近似をwikipediaでひくと、 近似(きんじ、approximation)とは、数学や物理学において、複雑な対象の解析を容易にするため、細部を無視して、対象を単純化する行為。 とある。 また、大辞林によると、 (1)非常に似ていること。 (2)ある数量に非常に近いこと…

夏休みの宿題

apjさんのブログで、夏休みの宿題を代行する記事が掲載されていた。教育的議論は先生方にお願いするとして、自分の子どもの頃の夏休みに対するイメージを書いてみたい。 夏休みといえば、長いというのがイメージとしてあった。私が小学生だった昭和40年代前…

自民惨敗37議席、民主躍進60議席・参院選全議席確定

29日投票が行われた参議院選挙は、自民の惨敗、民主の躍進で幕を下ろした。各新聞社の社説は、この結果を踏まえたものとなっている。 日経産業新聞と読売新聞は、安倍首相続投に関して、肯定的な書き方をしている。ただ、日経と読売では若干ニュアンスが違…

地球温暖化を考えるとき

メモしておかないと忘れてしまうので、本当の意味での覚書です。 石油が枯渇しようとしまいが、質量保存の法則に従い、原子のレベルで考えると地球上の物質の量は変わらない。従って、地球上の炭素と酸素の比率は枯渇前後で変わらない。 それでは、何が変わ…

アインシュタインは有神論者だったのか?

リチャード・ドーキンス著「神は妄想である―宗教との決別」からの引用。 もっとも頻繁に引用されるアインシュタインの所見の一つに「宗教なき科学は足萎えであり、科学なき宗教は盲目である」がある。しかし、アインシュタインはこうも言っているのだ。 もち…

凶悪犯罪の増加はほんとうか?

昨日書いたとおり、E.オマール著「不思議な数eの物語」の引用方法でまだ悩んでいるので、今日は小ネタを書く。 最近、ニュースなどを見ているとニュースキャスターなどが凶悪犯罪の増加を指摘するのだが、本当なのだろうか。そこで、グーグルで「殺人事件 …

科学報道を見破る十ヶ条

松永和紀さん著「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)」からの引用。 懐疑趣致を貫き、多様な情報を収集して自分自身で判断する。 「○○を食べれば・・・・」というような単純な情報は排除する 「危険」「効く」など極端な情報は、ま…

StarSuite8に乗り換え

マイクロソフトオフィスからStarSuite8へ乗り換えようとしている。乗り換えようと思ったのは、ワードを開くときにアクロバットの警告文が流れてうるさいから。以前、アクロバット4.0を入れていたのだが、ワードの文章をPDFファイルに変換する部分が違…

課題解決先進国

小宮山宏著「東大のこと、教えます―総長自ら語る!教育、経営、日本の未来…「課題解決一問一答」」からの引用。 こうした世界の人類全体の課題と、日本の直面している課題とは深い関係がある。一例を挙げれば、環境やエネルギー問題の解決において、世界でも…

NHK平成19年度予算案可決

今朝、起きてテレビをつけたら、いつものニュースではなく、NHK平成19年度予算案を審議可決する国会の審議会の模様が流れていた。どの党も予算案に賛成を表明したあと、苦言を述べるというかたちで審議はすすみ、全員一致で予算案は可決された。 しかし、…

セルフレジ

昨日、スーパーマーケットショーで、セルフレジなるものを見た。スイカなどの電子マネーが普及し始め、お金の管理を企業側が人手を使って行わなくてもよくなるようになったために開発されたものだろう。店員さんがいちいちレジを打つ時代からセルフレジの時…

ビジネスホテルのユニットバス

昨日、ホテルの企画提案を行っている大成建設の方のお話しを聞いてきた。その中で、ビジネスホテルのユニットバスのはなしが面白かった。 ビジネスホテルのユニットバスは、30年前から今の形で、全然変わっていないらしい。宿泊者にアンケートをとってみる…

愛知県知事選と北九州市長選

今日の朝、NHKのニュースで、上記二つの選挙の結果、与野党の勝敗は1勝1敗だったと補導していた。愛知県知事選では与党が勝利、北九州市長選では野党が勝利した。ニュースでは、柳澤厚生労働大臣をめぐっての攻防とのとらえ方をしていたが、実際の選挙…

左利きの悲しい歴史

デイヴィッド・ウォルマン著「「左利き」は天才?―利き手をめぐる脳と進化の謎」からの引用。 今のところ、左利きを結びつけているらしき唯一のものは、悲しい歴史である。不安を覚える多数派からは、邪悪、不器用、劣等の烙印を押されてきた。科学やエセ科学…

孫請け企業の内情

朝日新聞のニュースサイトで、あるあるを引き受けていた孫請け企業の内情が書かれている。最初から結果ありきで親会社から指示がでて、ぎりぎりの納期でそれをこなさなければならなかったのが内情のようだ。 そもそも「納豆にダイエット効果がある!」といっ…

発掘!あるある大事典Ⅱねつ造で思うこと

多くの方が、あるある大事典のねつ造問題についてコメントを書かれているが、自分がいちばん不思議に思ったのは、不二家の報道とあるある大事典の報道の違いだった。不二家の場合、ISOを取得していたにもかかわらず、品質管理がずさんだということで、会…

9.11が起きた当時を思い出してみると

「貧困の終焉―2025年までに世界を変える」のなかで、ジェフリー・サックス氏は、9.11が起きたとき「第三次世界大戦の勃発だ」とか「武力制裁を行うべき」という世論の風潮が渦巻いていたことに危惧し、貧困の撲滅こそが紛争をなくす手段であることを訴え…

ISBN:4152087234:titleをサウナに忘れる

先週の日曜日、いつも午後行くサウナに「貧困の終焉―2025年までに世界を変える」を忘れてきてしまった。その影響で、ここ二三日ブログの更新を怠ってしまった。同時並行で読んでいる「ウェブ人間論 (新潮新書)」(新潮新書)は、梅田望夫氏と平野啓一郎氏の…

通訳養成の必要性

安井至先生の「市民のための環境学ガイド」で「環境研究の将来と語学力」が述べられている。その中で俯瞰型研究を進めていくためには、語学力が必要だと述べられている。俯瞰(ふかん)とは、高いところから見ること。ただ、ここで言っている俯瞰型研究は、…

ファシリテーション

やまたろうさんの農家のあとつぎの独り言でファシリテーションについてふれられている。 内容はといえば、「ファシリテーション」。 それって何なのよ?と聞かれると、まー一口で言うのは難しいのですが… まず、日常の問題解決のパターンを論理的・科学的に…

科学者の情報発信

中西先生の雑感346-2006.5.23で、科学者の情報発信について述べられている。 専門誌にアクセスできる人は少ないし、“科学的に証明された”“効果が明らかになった”と断言する医学博士が登場するのはしばしばであるから、そういうデタラメを排除することは大事…