<span style="font-weight:bold;">海の役割</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

  1. 地上生物に不可欠な淡水の供給源となる。
  2. 二酸化炭素を吸収・貯蔵する。
  3. 海洋生物の生存・成長の環境を与え、海洋資源を育成する。
  4. 海流などの循環によって、物質を移動させ、気候を安定化する。

 海の表層では、大量の二酸化炭素が海水に溶け込み、「生物ポンプ」などによって海の深層に貯蔵されます。海洋の二酸化炭素の吸収量は、地球上のすべての森林が吸収する量の6割と推定されています。
p.29

 地表面の約7割を占める海にも多くの二酸化炭素が貯蔵されています。森林が樹木の体内に二酸化炭素を閉じこめているのと同じように、海でも海で生活する生き物の体を借りて二酸化炭素が貯蔵されています。そのシステムが「生物ポンプ」です。
 海の表層では、大気との間で二酸化炭素のやりとりが行われています。海水に溶け込んだ二酸化炭素は、植物プランクトンなどの光合成に利用され、多くの海洋生物の身体となり、その遺骸はマリンスノーなどとなって海の中・深層に沈降・溶解し、貯蔵されます。
 海洋表層の二酸化炭素をポンプのように深層に送り出すこの生物の働きは「生物ポンプによる海洋の二酸化炭素の貯蔵機能」と呼ばれ、海洋表層の、ひいては大気中の二酸化炭素濃度の安定に大きな役割を果たしています。

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