カウンター席での食事

 左利きのため、食事の時は箸を左手で持つ。当然の事ながらカレー屋や牛丼屋のカウンター席に座る場合、なるべく左端の席に座るように心がけることになる。なぜなら、隣の人と腕同士がぶつかる確率が高くなるからだ。もちろん、左端が空いていない場合は、普通に座り、食べるときになるべく左肘が横に広がらないように心がける。これが癖になっている。
 今日の朝、吉野家に朝飯を食べるため入ったとき、自分以外に客が一人しかいなかったので、何も気にせず左から2番目の席に着いた。席に余裕がある場合、左から2番目の席が埋まっている状況で大概の人は、窮屈さを感じるので左端の席には着かないものだ。こんな計算もあって左から2番目の席に座った。
 ところがである。どうしても端が好きな人がいるらしく、他にいくらでも席が空いているのに迷わずに左端の席に座ってきた客がいた。おまけに食事の際に、右肘を大きく広げて食事をする。もちろん隣に座っている人間が左利きだなどと気づきもせず一心不乱に食事をしている。こうなると、その右肘が気になって仕方がないのだ。「おい、ぶつかるよ」と心の中で訴えるが、声に出して言うほどのことも無い。しかし気になって仕方がない。こういう状況を何度も左利きの人間は経験する。右利きの人間より左利きの人間の方がストレスがたまりやすい理由がこんなところにもあるような気がする。