数学的な説明の挿入

 E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。

 期待時間をtとし、tは比\frac{W}{KT}}の指数関数で、<br />
[tex:{\tau}e^{\frac{W}{KT}}
の関係にある。τは10^{-18}ないし10^{-14}程度のある小さな定数である。
 ところで、この特定の指数関数は偶然現れた特殊なものではなく、熱の統計的理論の中に何度もたびたび現れ、いわばその背骨をなすものだ。
 この指数関数は、Wだけの量のエネルギーが系のある特定の部分にたまたま集まる確率を示すものであって、「平均(熱)エネルギー」kTの何十倍もが要求されるときのこの稀さの度合は、このようにものすごく増大するのである。このτは物理学的な意味をもつもので、その系の中で絶えず行われている振動の周期の大きさの度合いを表している。


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