数学的な説明の挿入
E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。
期待時間をtとし、tは比
の関係にある。τはないし程度のある小さな定数である。
ところで、この特定の指数関数は偶然現れた特殊なものではなく、熱の統計的理論の中に何度もたびたび現れ、いわばその背骨をなすものだ。
この指数関数は、Wだけの量のエネルギーが系のある特定の部分にたまたま集まる確率を示すものであって、「平均(熱)エネルギー」kTの何十倍もが要求されるときのこの稀さの度合は、このようにものすごく増大するのである。このτは物理学的な意味をもつもので、その系の中で絶えず行われている振動の周期の大きさの度合いを表している。
前回までのE.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約
- E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞
- 統計物理学からみて、生物と無生物とは構造が根本的に異なっている
- 原子はなぜそんなに小さいのか?
- 生物体の働きには正確な物理法則が要る
- 物理法則は原子に関する統計に基づくものであり、近似的なものにすぎない
- 法則の精度は、多数の原子の参与していることがもとになっている
- 第二の例(ブラウン運動、拡散)
- 測定の精度の限界
- 分子数の平方根の法則
- 古典物理学者の予想は、決して詰まらぬものとは言い捨てられないが、誤っている
- 遺伝の暗号文(染色体)
- 生物体は細胞分裂(有糸分裂)で成長する
- 有糸分裂では、すべての染色体がそれぞれ二つになる
- 減数分裂と受精(接合)
- 遺伝子の大きさの限界
- 遺伝子の永続性
- 突然変異種は育種可能である、すなわちそれは完全に遺伝する
- 遺伝子の座、劣性と優性
- 突然変異は稀な出来事でなければならない
- X線によって引き起こされる突然変異
- 量子論(飛び飛びの状態)量子飛躍