星の寿命

 谷口義明著「暗黒宇宙の謎―宇宙をあやつる暗黒の正体とは (ブルーバックス)」からの引用。

 生まれた星のダークさを決めていたものは、星の質量であった。重ければ明るく、軽ければ暗い。また、星の質量が0.08M(Mは太陽の質量)未満であれば、星にならない。このように星にとって質量はきわめて重要である。そして、星の進化は質量によって、ほぼ一意的に決まってしまう。そのため、星の死に方も質量次第ということになる。(中略)
 星の寿命は星の質量の−2乗に比例して短くなる。質量が大きくなればなるほど星の寿命は急激に短くなる。太陽は100億年を越える寿命を持っている。しかし太陽より10倍重たい星の寿命は太陽に比べて100分の1しかないことがわかる。
 この原因は核融合反応の効率のよしあしで決まっている。質量の大きな星では、中心領域の密度や温度が当然高くなる。したがって、核融合の効率が上がる。水素原子核核融合で放射されるエネルギーは、星の質量のおよそ3乗に比例して大きくなることが知られている。核融合できる材料としての水素原子核がたくさんあっても追いつかない。だからどんどん核融合が進み、星の進化が速く進んでしまうのである。

 実は、本書には、星の寿命と星の質量の式が記載されている。その式を見ると星の寿命が星の質量の−2乗に比例していることがわかる。ブログに式を記載するとき、Texを利用しなければならず、まだ使い方がマスターできていない。そのため、式の記載は省略させてもらった。
 宇宙の話を本で読んでいると、地球という環境が如何に微妙なバランスで成り立っているかがわかる。また、どの物質も原子を規準としている意味がよくわかる。宇宙で作り出されるものは、すべて化学反応でもたれされているらしい。もちろん、原子よりも細かい中性子なども存在しているが、最初に原子を思いついた人の発想力や観察力にはやはり感心させられる。