WHO刊行「BSEの脅威について理解する」②

2. 消費者保護のための問題提起から

 BSE狂牛病」は、謎の多い新しい病気である。ウシにおける症例は1986年に英国で初めて報告された。1996年には、ウシに発生したBSEの流行と関連のあるもう一つの病気、変異型クロイツフェルトヤコブ病、変異型CJD(vCJD)がヒトに発見された。汚染された牛肉やその加工食品の摂取がその原因であると推測されている。

 BSEは、牛の病気で1986年。変異型クロイツフェルトヤコブ病、変異型CJD(vCJD)は、ヒトで1996年に発見された謎の多い新しい病気。汚染された牛肉やその加工食品の摂取がその原因と推測。

この2つの病気は多くの科学的難題を提起している。すべての疑問に対して、絶対に確実な解答は得られていない。とはいえBSE流行の起源、蔓延した理由、摂取すると最も危険である組織、ヒトにおいて関連した病気が出現した原因として考え得る理由などについて、現在では多くのことがわかっている。中でも最も重要なのは、実際上の経験に裏付けられた集中的な研究を行うことで病原体を食品および飼料の生産・流通から排除し、結果として食肉供給の安全性の確保を可能にするという一連の対策が各国でなされたことである。ヒトへの感染源への接触を最小限にとどめることのできるあらゆる適切な対策を十分に実施、管理すれば、牛肉やその加工食品はBSEの病原体から隔離され、従ってヒトにおいて変異型CJDが発病する危険性もないと考えられるだろう。

 BSE流行の起源、蔓延した理由、摂取すると最も危険である組織、ヒトにおいて関連した病気が出現した原因として考え得る理由などについて、現在では多くのことがわかっている。ヒトへの感染源への接触を最小限にとどめることのできるあらゆる適切な対策を十分に実施、管理すれば、牛肉やその加工食品はBSEの病原体から隔離され、従ってヒトにおいて変異型CJDが発病する危険性もないと考えられる