変位と速度、加速度

 (財)エネルギーセンター編「エネルギー管理士試験講座 熱分野・電気分野共通〈1〉エネルギー総合管理及び法規」からの引用。

 物体の位置が時間とともに原点からどのように移動するかがわかれば、物体の運動を表すことができる。変位は物体が原点からどちらの方向にどれだけ動いたかを示す量である。変位は符号を含む量である。
 物体の運動を表すのに、速さに関する情報も必要である。物体の速度とは、単位時間当たりの物体の変位をいう。
 速度は物体の進む方向を含む量である。速度の大きさを速さと呼び、速度は、速さと運動の方向の両方を示す量であるから、ベクトルである。時間を秒〔s〕、距離をメートル〔m〕の単位を用いると、速度の単位はメートル毎秒〔m/s〕となる。
 変位をx、時間をtとして、速度v微分記号で示すと、
v=\frac{dx}{dt}
で表される。
 加速度a微分記号で示すと
a=\frac{dv}{dt}=\frac{d^2x}{dt^2}
で表される。

 変位は、大辞林第二版では、「〔物〕〔displacement〕質点が運動することによって位置を変えること。また、位置の変化を表す量で、所要時間や経路を考慮せずに、ある時刻における位置から他の時刻における位置に向かうベクトル。」となっている。こちらの方が意味がわかりやすい。
 ベクトルは、「速度・力のように大きさと向きを有する量。」とある。
 また、加速度は、速度変化の割合をいう。