自民惨敗37議席、民主躍進60議席・参院選全議席確定

 29日投票が行われた参議院選挙は、自民の惨敗、民主の躍進で幕を下ろした。各新聞社の社説は、この結果を踏まえたものとなっている。
 日経産業新聞読売新聞は、安倍首相続投に関して、肯定的な書き方をしている。ただ、日経と読売では若干ニュアンスが違っており、日経が経済重視の考え方なのに対して、読売は自民支持の立場が目立つように思われる。また、朝日新聞毎日新聞は、安倍内閣続投にノーを打ち出している。こちらも、安倍内閣にノーであるが、民主の応援団という雰囲気はない。何れの新聞も政治の混迷が起こらないように期待するといったコメントが目立つ。
 今回の選挙で驚いたのは、一任区での民主の躍進である。新聞を読んでいると民主の戦略が的中したようではあるが、農家が自民党にノーを言ったというのはよほどのことだったのだろう。その理由が年金なのか、農業政策なのか、現時点では見えていない。
 ある自民の国会議員が、「松岡農相の自殺のあとの選挙で、美しい日本と言えといわれてもねえ・・・」といっていたが、確かに美しいとは言い難い状況であったのではないだろうか。安倍首相のリーダーシップ力に期待が持てないことを、この半年間でいやというほど見せられてきたことに国民がノーを突きつけたというかたちであろうか。
 それともう一つ目立つのが、組織票の効力が落ちていることだろう。公明党や共産党がふるわなかったのはこのせいだと思う。浮動票重視の傾向は今後加速していくように思われる。