中西準子のホームページでおなじみの産総研中西準子氏が京都大学教授の松井氏に名誉毀損で訴えられている。詳細は、下記ホームページを参照して欲しいが、言いがかりに近い訴えのようだ。去年の環境ホルモンシンポジウムで行われたパネルセッションでの松井氏の発言に対する感想を中西氏がホームページで書いたことについたクレームとのこと。

環境ホルモン濫訴事件:中西応援団
http://www.i-foe.org/

環境ホルモンを研究テーマにしている学者の一部は、環境など関係なく、生化学的にホルモン関係を研究したいと思っているのではないか、と思えてならない。というのは、この環境ホルモンシンポジウムを聞きに行っていたから。残念ながら、問題となっているシンポジウムは聞けてないのだが、他の講演を聴きながら、そういった感想を持った。SPEED98から7年が経ち、SPEED98で環境ホルモンと疑われた物質の中で、明確に人体への影響が認められたものはないと聞いている。環境省も人体への影響調査から生態系への影響にテーマをシフトさせてきている。SPEED98発表当時の緊急性は薄らぎ、地道な基礎研究に移ろうとしている。そんな中、上記の訴訟が環境ホルモン学会(正式には内分泌攪乱化学物質学会だったと思う)の副理事長をやっている松井氏によっておこされた。また、松井氏の弁護士とついている中下氏は、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議事務局長をやっている。ダイオキシンや環境ホルモンを大騒ぎした市民団体の事務局長だ。

ダイオキシンにしろ、環境ホルモンにしろ調査が進むにつれそれほど人体に影響がないことが判ってきている中、環境ホルモン学会やダイオキシン・環境ホルモン国民対策会議の存在意義が薄らいできているとぼくは思っている。こう思う人が増えることを恐れ、訴えを起こしたのではないかといらない勘ぐりをしてしまうのは僕だけだろうか?