<span style="font-weight:bold;">「大量生産・大量消費・大量廃棄型社会」のツケ</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 わたしたちの豊かで便利な生活は、大量の資源やエネルギーを消費し、いろいろな製品を大量に生産して使用し、その後不要となったものを大量に廃棄する一方通行のシステムによって成り立っています。しかし、その結果、地球温暖化、酸性雨、オゾン層破壊、廃棄物問題、資源の枯渇などさまざまな環境問題が生じ、このシステムが破綻しかかっているのです。p.100

 現在、各自動車メーカーは、ものすごい勢いで、石油依存の自動車から電気自動車へシフトしようとしています。これは、ピークオイルというデータと関係があります。ピークオイル予想は、石油生産量が最大ピークをそろそろ越えることを示しています。
 今後、石油の生産量はどんどん減っていくとみられているのです。そのため、石油依存型の自動車を社会から締め出すように、各国が二酸化炭素排出規制を強化してきます。そのため、自動車メーカーは真剣に電気自動車を開発し始めているのです。
 例えば、EUでは、2012年度に乗用車に対して、二酸化炭素排出量が平均で120gCO2/kmを超えないように規制が、かけられます。さらに、2015年には二酸化炭素排出量が1gオーバーする毎に罰金95ユーロが課せられます。従って、二酸化炭素排出量が一番少ない電気自動車を1台でも多く販売せざるを得ないのです。そして、2020年には、規制値が95gCO2/kmに強化されます。この値をクリアー出来るのは、排気量の少ないハイブリッドカー(プリウス)か電気自動車しかありません。
 一般的に発掘している資源が、ある一定量を割ると掘り出すコストが合わなくなり、発掘が行われなくなると言われています。一定の箇所に大量に貯蔵していれば取り出すコストは少なくてすむのですが、広く転々と散らばったところから回収することは、非常にコストがかかり、掘り出すことが不可能になるからです。
 石油も他の資源と同じように遠からずコストが合わなくなると考えられています。
 つまり、「大量生産・大量消費・大量廃棄型社会」自体が、コスト的にも合わなくなる時代がそう遠い話でなくやってきそうなのです。

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<span style="font-weight:bold;">「一方通行型の社会」から「循環型社会」へ</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄型の「一歩通行型の社会」のしくみを根本から見直し「循環型社会」を構築するため、2000(平成12)年6月に「循環型社会形成推進基本法」が公布されました。この法律では、3R(リデュース、リユース、リサイクル)が強調されています図表3ー7循環型社会に向けた処理の優先順位参照)。p.100

 循環型社会とは、廃棄物などの発生を抑制し、適正な循環的利用を促進し、適正な処分量を確保することで、天然資源の消費を抑制し、環境負荷を可能な限り少なくした社会をいいます。
 図表3ー7をよく見てください。この図は、何度か問題として出題されています。図表に記載されている言葉の意味を覚えましょう。
 まず、この図では、優先順位があります。1番目が発生抑制:Reduce(リデュース)です。極力、ゴミを出さないようすることをいいます。2番目が再使用:Reuse(リユース)です。使えるものは繰り返し使おうという考え方です。3番目は再生利用:Recycle(リサイクル)です。再使用できないものを原材料として使用することです。4番目が熱回収です。再利用できないものは熱エネルギーとして使用しようというものです。そして、最後に適正処分。どうしても捨てるしかないものは、きちんと処分しようということです。
 優先順にの3番目まで、リデュース・リユース・リサイクルの頭文字をとって、3R(スリーアール)などと呼びます。3Rまでが、ものを循環できるシステムとなっています。
 ちなみに、3番目をマテリアルリサイクル、4番目をサーマルリサイクルという場合もあります。
 この優先順位と名前は覚えておきましょう。

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<span style="font-weight:bold;">循環型社会実現のための基本理念</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 これらの取り組みを進めるために、わたしたちはそれぞれの責任を果たすことが必要です。「循環型社会形成推進基本法」での基本理念は、「排出者責任」と「拡大生産者責任」という2つの考え方です。
(1)排出者責任
 廃棄物を出す人が、廃棄物の処分やリサイクルに責任をもつという考え方であり、廃棄物・リサイクル対策の基本的な原則のひとつです。

  • 廃棄物はきちんと分別する。
  • 事業者は、自分が出す廃棄物のリサイクルや処分を自ら行う。

(2)拡大生産者責任
 製品の生産者が、その製品が使用され廃棄された後も、循環的利用や処分について一定の責任をもつという考え方です。現在は、廃棄物などの量が多くそれらのリユースやリサイクルが難しいことが問題になっていますので、拡大生産者責任はそれらを克服するために重要な考え方のひとつとなっています。

  • リサイクルや処分がしやすいように、製品の設計や材質をくふうする。あるいは、製品に材質名を表示する。
  • 製品が廃棄物になった後、生産者が引き取りやリサイクルを実施する。

p.101

 排出者責任と拡大生産者責任については、テキストに書かれているとおりです。大切な考え方なので理解しておきましょう。
 図表3ー8の循環型社会形成推進関係法規の体型図も覚えておきましょう。
 環境基本法がおおもとにあって、循環型社会形成推進基本法があります。一般的なしくみとして、廃棄物処理法(廃棄物の適正処理)と資源有効利用促進法(3Rの推進)があります。そして、各種リサイクル法があり、環境に配慮した商品購入をすすめるグリーン購入法があります。

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