大気には層がある
改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。
地球を取り巻く大気の厚さは、500kmにも及び、いくつかの層をなしています。図表2ー4に、大気の層の構造を示します、
(1)対流圏
地上から10〜15kmくらいまでの領域で、大気のもっとも下層を占めます。地表で暖められた空気が上昇して雲をつくって雨を降らせ、風が吹くなど、大気が対流して気象変化が起こる、わたしたちにもっとも関係が深い層で、地球の大気の約75%、水蒸気のほとんどが含まれています。
(2)成層圏
対流圏の上、高さ約50kmくらいまでが成層圏と呼ばれ、大気の動きが比較的安定した層です。この層にはオゾン層があって、生物に有害な紫外線を吸収し、地表に届かないようにするという重要な役割があります。近年、人間が放出したフロンガスなどでオゾン層が破壊されてオゾンホールができ、紫外線による生物への危険が増大しつつあります。
(3)中間圏・熱圏
成層圏の上方には中間圏、熱圏と呼ばれるきわめて薄い大気の2つの層が地上500kmくらいまであり、宇宙空間につながっています。(p.26)
大気の厚さは、東京から京都の手前ぐらいまでの距離にあたると思います。また、対流圏の距離は、本社(三ノ輪)から草加工場(草加)までの距離です。自分の家から約10キロから15キロの場所ぐらいまでの場所をイメージして覚えるといいと思います。
対流圏に大気の75%があるというのは覚えておいてください。
また、オゾン層が成層圏にあることも出題される可能性があります。
オゾン層にオゾンホールを開け、オゾン層を破壊するといわれているフロンガスは、フッ素を主体としたガスです。冷蔵庫やエアコンの冷媒として主に使用されていましたが、オゾン層を破壊するということで、現在は使用が禁止されています。フロンガスには、オゾン層を破壊する特定フロンガスと、オゾン層破壊性の小さい代替えフロンガス(HCFC)、そしてオゾン層破壊性のない代替えフロンガス(HFC)に分類されています。
大気の役割
改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。
- 生物に必要な酸素と、植物の光合成に必要な二酸化炭素を供給する。
- 地表を生物が生活するための適度な温度に保つ。
- 大気循環により、水蒸気や各種気体を地球規模で移動させ、気候を和らげる
- オゾン層により、生物に有害な紫外線を吸収する。
- 宇宙から飛来する隕石を摩擦熱で消滅させ、地表に届かせない。
(p.27)
地表や海面は、太陽からエネルギーをもらって暖まり、その熱が空気も暖めます。1時間に届く太陽エネルギー量で、人間が1年間に消費する全エネルギーをまかなうことが可能だそうです。
現在の大気には、窒素が78.1%、酸素が20.9%、アルゴンが0.93%、二酸化炭素が0.04%含まれています。二酸化炭素の量が思ったよりも少ないと感じませんか?少ないからこそ、わずかな変動で大きな影響を与えてしまう可能性があるのです。
北極や南極に比べ赤道付近に届く太陽からのエネルギー量は多くなっています。従って、温度の高い赤道と温度の低い北極や南極との間に空気の循環がおきます。これが偏西風などです。これらの大気の循環によって、気候が和らぎます。
オーロラは、太陽からくる裸の電子などの粒子が地球の酸素原子や窒素原子にぶつかって発光したものが色のカーテンとして見える現象です。オーロラは、もっとも宇宙に近い熱圏で発生します。