<span style="font-weight:bold;">環境にやさしい商品の開発・生産</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 リサイクル製品の生産・活用というのは、もっともわかりやすい企業のエコロジー活動です。再生紙のトイレットペーパーやリサイクル繊維の洋服、パソコンや家電商品の部品、また建材やタイルなどの内装材にも、リサイクル製品があります。
 リサイクル製品ではなく、使うこと自体が環境にやさしい商品を出している企業もあります。二酸化炭素の削減を目的に開発が進められてきたハイブリッド車、電気自動車は、その代表的な例でしょう。燃料燃焼による二酸化炭素排出の約18%は、自動車から排出されています。地球温暖化の原因となる二酸化炭素の削減のためには、より少ない燃料で走り、排ガスを削減できる車を開発することが自動車メーカーの社会的責務ですが、そのエコカーの分野では日本の企業は世界をリードしているのです。
 さらには、企業では省エネ効率の高い家電製品を次々に開発しています。省エネルギー性能のより高い家電製品およびガス・石油危機等の普及のために、2000(平成12)年8月にJIS規格として省エネルギーラベリング制度が制定されました。2006(平成18)年10月からは、エアコン、冷蔵庫、テレビを対象に、市場における製品の省エネ性能の高い順に5つ星から1つ星の5段階の星で表す統一省エネラベルが導入されました。(2009年5月より電気便座が追加)エネルギー消費効率等をより身近なものとするため、1年間の目安電気料金に換算した表示もしています。消費者は、この省エネお得情報のラベルを見て、エコ製品を選ぶことができます。
 なお、家庭でも一人ひとりが二酸化炭素削減のお手伝いができるように、政府は、期限を限って、エコカー減税エコカー補助金)、グリーン家電エコポイント制度、住宅用太陽発電補助金、家庭用燃料電池補助金の制度を設けました。エコカー減税ではハイブリッド車、電気自動車など一定の性能要件を満たすものに対して自動車重量税、取得税の課税免除などが行われます。グリーン家電エコポイント制度では、統一省エネラベル4つ星以上の「エアコン」「冷蔵庫」「地上デジタル放送対応テレビ」を購入するとエコポイントがつき、商品券などと交換できます。

 循環型社会に向けた処理の優先順位(p.100)を思い出してください。1番目が発生抑制(リデュース)、2番目が再使用(リユース)、3番目が再生利用(リサイクル)、4番目が熱回収(サーマルリサイクル)、5番目が適正処分でしたね。企業のエコロジー活動もこの優先順位に沿ったかたちで行われています。
 後述のゼロミッションは1番目の発生抑制(リデュース)にあたります。リサイクルに限らず、リユース製品を扱っていくことも立派なエコロジー活動です。少しでも長く使用するという考え方が重要なのです。
 環境にやさしいと表現した見たときは、循環型社会に向けた処理の優先順位を思い出してください。
 政府が行っている補助金制度にどんなものがあるかは覚えておきましょう。普段の生活でも役立つと思います。エコラベルと統一省エネラベルをもう一度確認しておきましょう(p.139)

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<span style="font-weight:bold;">企業の環境への取り組みを見てみよう</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 地球温暖化の問題が深刻になってきた今日、CRS(企業の社会的責任)活動や環境報告書へ積極的に取り組む企業も多く見受けられます。ISO14001、エコアクション21などを取得し、社内や取引関係者の意識改革も盛んになりました。企業の環境への取り組みが企業の発展に影響を与える時代です。
 企業のエコロジー活動には、大きく分けて2つの方向があります。ひとつは商品やサービスで環境保全を表現すること、そしてもうひとつは環境保全を目的とした活動を行うことです。

 主な企業では、環境保全への取り組みを社会に報告するために、CRS報告書や環境報告書を発効しています。
 企業のエコロジー活動は、環境に優しい商品の開発・生産と環境保全を目的とした活動があります。

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<span style="font-weight:bold;">アスベストの影響</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 アスベスト石綿とも呼ばれ、耐熱性能が高く加工しやすいため、古くから屋根材としてのスレート材やブレーキ材、断熱材などに使用されてきました。また、学校や病院などの大規模な建物での利用も多く、その使用総量は明確には把握されていません。
 アスベストは存在すること自体が問題ではなく、リフォーム時や解体時にそのきわめて細かい繊維を吸い込むことが、じん肺、悪性中皮腫などの原因になるといわれており、WHO(世界保健機関)では肺ガンを引き起こす可能性があると報告されています。
 厚生労働省では、法律を整備したり、実体の調査を続けるとともに、非石綿含有素材への代替化を促していますが、解体などのさいにはじめてその利用がわかることも多く、また労働者の家族や施工現場の近隣住民への被害もでており、実際は現場での注意がいちばんの対応策というのが現状です。

 ここに書かれているように、アスベストは、フロンと同じようにその性能の良さから非常に多く使用されてきました。仕上がって、町のあちらこちらにあります。工場などの屋根にスレート材として使用されているケースが多いようです。また、断熱材としても多く使用されていました。
 数年前、アスベストを製造していた工場の近隣に住んでいた人に悪性中皮腫が見つかったことがニュースとなっていました。アスベストの製造が禁止されてだいぶたってからです。このように悪性中皮腫は潜伏期間が長く、それ故被害が長い間続くという問題があります。

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<span style="font-weight:bold;">VOCの影響</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 シックハウス症候群は、VOC(揮発性有機化合物)による室内の空気汚染によって引き起こされる健康被害のことです。その正体は、ホルムアルデヒドやトルエンなどの化学物質で、国土交通省では図表4ー7の5つを住宅性能表示のための特定測定物質に指定しています。
 これらは一定の安全基準が設けられており、その範囲での使用や注意書きなどにある決められた取り扱いを行っているかぎりそれほど深刻に考える必要はないとされています。また、厚生労働省では、たとえばホルムアルデヒドの室内濃度指針値を0.08ppmと定めています。これらの基準を越えないような家造りが、最低求められています。

 シックハウス対策として、国土交通省は、まず建築基準法で、クロルピリホスの使用禁止とホルムアルデヒドの使用制限を設けています。これは、建築材料や施行方法に関する規制です。特定測定物質の設定は、どちらかといえばVOC対策です。
 厚生労働省は、ホルムアルデヒドなど13物質について室内濃度の指針値を定めています。

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<span style="font-weight:bold;">シックハウスとは</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 新築したばかりの家や、長い間空き家にしていた家に入ると、目がチカチカしたりのどが痛くなったりすることがあります。また、子供にかぎらず大人でも、アトピー皮膚炎のような症状を起こしたり、喘息のような症状に悩まされるケースも報告されています。
 このような現象を「シックハウス症候群」といい、シック=病んだ、ハウス=居住空間がもたらす症状をいいます。

 ここの表現は少しおかしいと思います。新築の家を例にしているのはいいのですが、空き家の場合は、かびなどのハウスダストが問題である場合が多いからです。後述されている発生原因がVOCだと断定してしまうと、つじつまが合わなくなります。もちろん、ハウスダストも原因のひとつとして加えるのなら問題ないとは思いますが、専門家ではないため、ここはコメントできません。
 また、シックハウス症候群はだれでもかかる病ではないのが特徴のひとつです。そのため、シンドローム(症候群)と呼んでいるのです。原因に関しても完全にはわかっていません。

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<span style="font-weight:bold;">生産地と家庭を結ぶ食品の履歴書、トレーサビリティ</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 「トレーサビリティ」とは、(1)ある商品がいつ、どこで、誰によって生産され、(2)そのような農業・肥料・飼料が使われ、(3)どんな流通経路をたどって消費者のもとに届けられたかを確認できるようにすることをいいます。生産・流通側には、食品の安全性を確かめたいときや、トラブルが生じたときの原因究明、あるいは食品の追跡や回収が容易にできます。また、消費者にとっては、生産から流通までのプロセスがはっきりするので、安全性や安心感が得られます。

 トレーサビリティの意味をよく理解しておきましょう。商品の履歴書です。スーパーへ行くと、生産者の顔が印刷された野菜などが販売されていたりしますが、匿名でなく本名を出して商品を販売していることが消費者への安心感に繋がっているのでしょう。
 生産から流通ルートなどを開示することで消費者に安心感を与えています。

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<span style="font-weight:bold;">安心・安全な食品を運ぶルール</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

(1)消費期限と賞味期限をチェックしよう
 消費期限は、弁当、サンドイッチ、惣菜、生菓子、生めん、生牡蠣、パック詰めされた魚、食肉などに表示され、定められた方法で保存した場合、商品の劣化によって安全性が損なわれるおそれがない年月日(弁当・惣菜は時間も表示)です。劣化が早いので、必ず期限内に消費する必要があります。
 賞味期限は、牛乳、乳製品、卵、ハム、ソーセージ、冷凍食品、即席めん、清涼飲料水、缶詰、スナック菓子などに表示され、記載されている方法で保存した場合の品質保持期限です。品質が比較的長く保持され、期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではあらいません。
(2)生鮮食品には、原産国、原産地が表示される
 国産品は県名、場合によっては市町村が、輸入品は原産国が記載されます。玄米や精米のブレンド米は、複数原料米などとブレンド米であることを記載し、原産国とその使用割合が記されます。2カ所以上で飼育された畜産物はいちばん長く飼育された場所(主たる飼養地)が、水産物は国産品で複数にまたがるときは水域名が、水域名の記載が難しいときは水揚げ港がある都道府県名が記されます。輸入品は原産国と水域名が記載されます。パック詰めされた生牡蠣は採取海域のほか、生育した水域名か養殖場のある都道府県名、輸入品は原産国が記載されます。加工食品も、物によっては原料の原産地名の記載が義務づけられています。
(3)加工食品の原材料名は食品添加物とそれ以外の原材料に区分
 原材料中にアレルギー物質を含む食品が使用されているときは、その旨が記載されます。表示されるアレルギー物質は、必ず表示されるのが7品目で、卵、乳、小麦、そば、落花生、かに、えび。表示が勧められているものは18品目で、牛肉、豚肉、鶏肉、あわび、いか、いくら、さけ、さば、やまいも、くるみ、大豆、まつたけ、オレンジ、キウィフルーツ、バナナ、もも、りんご、ゼラチンです。
(4)有機食品は有機JASマークを確認、遺伝子組み替え食品も安全性が確認されているものはその旨表示
 有機農産物と有機農産加工食品は、有機JASのマークがついていないと、「有機」「オーガニック」などの表示ができません。マークを確認して購入したいものです。また、遺伝子組み替え農産物では、大豆(枝豆、もやしを含む)、とうもろこし、ばらいしょ、なたね、綿実、アルファルファ、てん菜の7農産物と32加工食品群については安全性が確認されており、義務として遺伝子組み替え食品の表示をするようになっています。p.156

 消費期限と賞味期限もよく出題されます。二つの意味を取り違えたり、同じだと思っている人があんがい多いのかもしれません。
 消費期限は、その食材をその日までに消費する必要があることを表しています。食べられなくなる期限を表しています。
 賞味期限は、その日以降に商品の味が落ちる可能性があることを表していて、メーカーが「この日までは、うまいさを保証しますよ」という意味合いを持っています。つまり食べられなくなる期限ではないのです。
 ここで、解説されている内容は、普段の生活でも役立つ内容なので、頭の片隅に入れておいてください。

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