<span style="font-weight:bold;">IPCC第4次報告書</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第4次報告書によれば、世界の平均地上気温は、1906年から2005年の100年間に0.74℃上昇しています。地球温暖化により、地球の最適バランスが崩れて生態系への影響や異常気象が発生し、海面上昇により海抜の低い陸地が失われるなど、予測できない様々な影響が心配されています。p.40

 IPCCは、Intergovermental Panel on Climate Change の略です。世界気象機関(WMO)および国連環境計画(UNEP)により1988年に設立された国連の組織です。2007年に報告された第4次報告書で、地球温暖化がほぼ確実(90%以上)と結論づけています。
 ただ、去年一部のデータがねつ造され、氷河の一部が消滅するなど根拠のない情報も流されていたことが判明し、報告書の信頼性に疑問を持つ人もでてきています。
 しかし、地球温暖化が進行している事実は変わっていません。過剰な表現があったからといって、何もしないでよいということにはなりません。
 それと、地球温暖化で上がっている気温は、100年間で平均して0.74℃です。この数値は憶えておいてください。

 東京の冬日が近年ほとんどなくなりました。気象庁の調査によれば、1995(昭和30)年ごろまでは50日以上の年もありましたが、平成になってからは冬日がない年もあります。逆に、熱帯夜が増加しています。明治から昭和の初め(1927年)までは熱帯夜がゼロの年がありましたが、最近は20〜40日前後の日数を記録しています。冬は暖かく、夏は酷暑に向かっています。季節の風景やわたしたちの季節感まで変わってしまうのでしょうか。
 また、海面水位も上昇を続けています。海水浴でにぎわう砂浜や切り立った岸壁を波が洗う自然の風景も、変わってしまうのでしょうか。
 近年、集中豪雨などの大雨の発生の増加傾向も見られます。P.41

 実は、ここで書かれている部分は、地球温暖化とはあまり関係がないと言われています。この現象は、ヒートアイランド現象によるものだというのが一般的です。ヒートアイランド現象は、夏に起きると思われがちですが、実は冬の方が顕著で、冬日が少なくなったのもその影響だと言われています。集中豪雨もヒートアイランド現象によるものです。
 では、なぜ、この部分を取り上げたのかというと、欄外にある関連用語、「真冬日」、「夏日」、「真夏日」、「猛暑日」、「熱帯夜」が問題にでたことがあるのです。常識の範疇として覚えておいてください。25℃以上が夏日、30℃を越えると真夏日、35℃を越えると猛暑日と呼びます。

目次へ