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川上弘美著「[asin:4101292353:title]」

覚書

 エコ検定まであと一ヶ月とちょっと、というのに文庫本を買ってしまった。いや買ってしまったまではいい。読み始めてしまった。本を読んでる場合じゃないだろうと心の内側から叱咤が飛んでくる。
 今週の日曜日、いつものように車でトーキング・ウィズ・松尾堂を聴いていたら、ゲストとして川上さんが出演されていた。もう一人のゲストが放送作家の小山薫堂さん。テーマは居酒屋で、居酒屋の店員さんの態度があまりよくない場合の対応を話し合う場面があった。小山さんを失礼ながら全く知らなかったのだが、非常にサービス旺盛な前向きの方のようで、振り向かぬなら振り向かせてみせるとばかりに、自分の方へ相手をいかに引き込むかを考えるとおっしゃっていた。逆に、川上さんは、どうしてこの人はこういう人になってしまったのか、店員さんの生い立ちをネタに短編小説を一冊頭の中で書いてしまうそうだ。同じ作家でもとらえ方がこんなにも異なるのかとおもしろかった。
 放送中、小山さんの知人が、「川上さんの小説”センセイの鞄”を読んでいると小山さんをなぜか思い出すのよね」といっているという話があった。小山さん自体、元々ほとんど本を読まない人らしく、まだその本を読んでいないという。ただ、そんなこともあり、「センセイの鞄」は気になっていたとのコメントがあった。どんな内容なのかという質問に川上さんが答えたのが、「ただ、居酒屋で飲んでいる状況を書きたかった」というものだった。このコメントが気になって、昨日本屋で本を取り上げ買ってしまった。
 帰りの電車でどんな内容だろうかと読み始めると、以前同じ内容のものを読んだことがあることに気づいた。それは、文章はなく、漫画だった。おそらく昼時によく行く中華屋で、注文した品物が出てくるまでの時間つなぎに読んだ漫画の中にこの本を原作とした漫画が載っていたのだろう。居酒屋で前からよく見かける初老の紳士をどこかで見たことがあること、その人が以前習った国語の先生だったこと、センセイとわたしの間の取り方が妙にあっていること、そして乾電池の話。読んだときにはおもしろいなと感じたかも知れないが、その後その漫画を探すでもなく、読んだことすら忘れていたのに、本を読み出したら読んだときの状況まで思い出すことができた。ただ、主人公やセンセイの顔形ははっきり思い出せなかった。
 こうなると、もう止まらない。エコ検定に響かないように通勤電車の中だけで読むことにしよう。でも、そうなるといつエコ検定の勉強をするのだろうか・・・。