パンデミック pandemic

 豚インフルエンザが人へ感染したことがニュースになっていらい、パンデミックという言葉が、多く使われるようになっている。この「パンデミック」という言葉、全く知らなかった。辞書を引いてみると、下記のように書いてある。

感染症が世界的規模で同時に流行すること。また、世界的に流行する感染症のこと。世界的流行。汎用性流行。感染爆発。パンデミー。「新型インフルエンザが―を引き起こす恐れがある」「スペイン‐インフルエンザ―」
[ 大辞泉 提供:JapanKnowledge ]

 また、英和辞典を引くと、

(病気が)広地域流行の

となっていて、形容詞だとなっている。形容詞?と思って、4月29日のWHO、チャンさんの声明を見ると、形容詞と名詞の両方で使われていた。

Influenza pandemics 名詞


influenza pandemic alert  形容詞

 鳥インフルエンザが話題になり始めた頃には、すでに登場していたと思うが、やはり世界的に流行するおそれが迫ってこないと、言葉の重みが伝わってこないのかも知れない。なんて、悠長なことを考えていていいのだろうか?
 とりあえず、予防法が読売新聞のホームページに載っていたので、転載しておく。

 メキシコなどで新型インフルエンザが発生したことを、政府が宣言した。ニュースなどの情報によく注意して、冷静に対処したい。

 ◆手洗い、マスク

 インフルエンザの主な感染経路は、せきやくしゃみによるウイルスの飛沫(ひまつ)だ。神戸大教授(微生物感染症学)の岩田健太郎さんは、「通常のインフルエンザと同様、人込みに近づかないことや外出後の手洗いなどが感染予防には有効です」と話す。

 マスクは、ウイルスを100%防げるわけではないが、一定の効果は期待できる。医療用の目が細かい「N95マスク」は高価なうえ息苦しく、一般用には向かない。厚生労働省は、繊維や糸を織らずに加工した不織布製マスクを勧めている。装着する際は、あごの下から鼻まで、すき間がないように覆うことが大切だ。感染者が装着すれば飛沫の拡散を抑える効果もある。

 ◆発症が疑われたら

 発症が疑われた場合、不用意に医療機関を受診すれば、感染を広げる恐れがある。直接病院に行くことは避け、保健所などに設置されている相談窓口に、必ずまず電話で問い合わせることが肝心だ。

 電話相談の窓口は、都道府県の健康・保健の担当部署や、保健所などに設けられている。都道府県のホームページなどで、確認したい。

 ◆備 蓄

 事態の進展に備え、食料や生活必需品を多めに用意しておいたほうがよさそうだ。

 食料備蓄に詳しい甲南女子大学名誉教授の奥田和子さんは、「まず、米や乾めんといった主食になる食品から少しずつ備蓄しておこう」と話す。阪神大震災では、被災地の周辺の地域から救援物資が送られ、炊き出しも行われた。しかし、新型インフルエンザの流行は広域になる可能性があり、他地域からの食料支援は期待できない。「自宅の台所の食料状況を、今一度確かめて」とアドバイスする。

 国の新型インフルエンザ対策ガイドラインでは、2週間程度の備蓄を勧めている。

 〈食料品の例〉

 米、乾めん類、切りもち、コーンフレーク・シリアル類、レトルト食品、冷凍食品、缶詰、ミネラルウオーターなど。

 〈日用品・医療品の例〉

 マスク、体温計、ゴム手袋、水枕、消毒用アルコール、常備薬、ガーゼ、トイレットペーパー、せっけん、紙おむつ、生理用品、ゴミ袋、カセットコンロ、懐中電灯など。

 ◆豚 肉

 ウイルスは71度以上で加熱すれば、死滅する。豚肉は加熱調理するので心配はない。

 東京大学医科学研究所准教授(ウイルス学)の堀本泰介さんは「豚肉にウイルスが付着する可能性はきわめて低く、神経質になる必要はない」と話す。豚肉を調理した時の包丁やまな板も通常の食中毒予防と同様に洗剤で洗えば良い。

(2009年4月29日 読売新聞)