コンパクトなトップ

 八木一正著「小娘たちに飛距離で負けないための授業―物理の力で宮里藍を抜け!HS40で250ヤード打法 (ゴルフダイジェスト新書)」から引用。

 運動生理学の研究成果として、筋肉をどこまで伸ばせば、最大のパワーを引き出せるのかというデータがあります。
 それによると、ダラーっと脱力した自然な長さ「休息長」から2割伸ばした状態で一番力が出せると言われています。それ以上、伸ばしたところで力はアップせず、むしろ逆に力が出なくなるということが実証されています。従って、トップでの上体の回しすぎ、筋肉の伸ばし過ぎは全身の硬直にもつながり逆効果なのです。
 計算によると、「休息長」からキッカケを作って力を出すより、2割伸ばした上体から力を出した方が4割アップのエネルギーが出て「最大筋力」に達します。
 つまりアドレスの状態から弾みをつけてボールを打つよりも、筋肉を2割伸ばした状態のコンパクトなトップを作って、そこから振った方が4割アップの力が出るということです。

 実際にトーナメントなどでプロのスウィングを見てみると、驚くほどコンパクトなトップを作っている。例えば、横峰さくらのオーバートップ気味に見えるトップも実際見ると非常にコンパクトであり、手首を使用したコックが他の人よりも大きいだけなのに気づく。
 最近の悩みの一つとして、トップからの切り返しができないという減少がある。これは、おそらく肩の回しすぎが原因のような気がしていた。体をねじらなければパワーが出ないと勘違いしていた感がある。実際ねじりすぎるとその状態からもとの状態には戻せず、そのまま固まってしまう。思い切りねじった状態で力を抜いてみるとわかるのだが、その状態のまま、体は回転しない。筋肉を縮めてパワーを出すためには、ここに書かれているように、適度な筋肉の伸びの範囲があるように思える。それが、どのくらいなのかは、自分で探すほか無さそうである。