凶悪犯の高年齢化

 H-yamaguchi.netに凶悪犯の高年齢化をどうして報道しないのかを問うはなしが掲載されている。確かに、そういわれればそのような気がする。四国であった祖母と孫二人が殺害された事件でも義弟である61才の男が逮捕された。
 青少年が犯した罪に対する報道は、ネットなどの社会環境の変化や教育問題として大きく報道されるのが常であるが、高齢者の殺人事件となるとあまりこうした社会とのつながりから起きる事件として扱われていないのが実情のようだ。
 昭和51年度の警察白書の「人口10万人当たりの主要罪種別犯罪率の推移」を見ると、昭和41年の凶悪犯総数は、13.8件で、殺人が2.2件、強盗が3.6件、放火が1.4件、強姦が6.6件となっている。そして、平成19年度の警察白書では、同じ統計で、凶悪犯総数が7.9件で、殺人が1.0件、強盗が4.0件、放火が1.4件、強姦が1.5件となっていて、昭和41年当時に比べると殺人と強姦は明らかに減っているのに対して、強盗と放火は横ばい状態にある。
 警察白書のこれ事前のデータは、集計方法が違うので何とも言えないが、殺人事件だけみてみると、戦後の混乱期から昭和30年代ぐらいが最も多く、その後昭和40年代頃から減り始め、今の数値になっているようだ。
 ちょっと飛躍するがこうしてみると教育をきちんと受けた世代が増加することで、殺人事件の件数は確実に減ってきている気がする。そうだとすると、高齢者の犯罪が増えていることにも納得できるような気がする。ちゃんとした教育を受けれずにテレビなどの情報に流され、我慢が限界に近づき犯罪におよぶ。そんな構図が見え隠れするのだがどうだろうか。