アドレス

 高松志門著「非力のゴルフ (知恵の森文庫)」からの引用。今回はアドレスの取り方。

 水平打法をよりスムーズ行うためには、お尻を前に突き出し、されにお尻の穴をすぼめるようにして立つ。
 お尻を前に突き出すと、スウィング中に体を回転させるとき、ウェートが移動しない。
 水平打法は、腰を軸に回転させるところにポイントがあるが、その腰がふらつかないから、体全体をめいっぱい回転させられるのである。
 そして、体を前に折る支点は、腰ではなく鳩尾あたりになる。
 鳩尾の付近を内側に引っ込ませる。その格好で状態を前掲させると、自然に背骨は猫背気味になり、方は丸くすぼむ感じになる。
 膝は、両足とも突っ張らずに、曲げ加減にして、やや内側に絞り込む。
 楽に立てて、重心が真下に降りているのだから、誰かに前後、左右から押されたとしても、上体がフラつかない。あるいは押されたときに、柔軟に対処できる。
 ボールを自分の思い通りにコントロールするには、土台を安定させておいて、その上半身を回転させなければならない。その土台を安定させるために、膝を自動車のサスペンション代わりに使うことが大切になる。

 普通は、「背筋を伸ばしてまっすぐ立ち、お尻を後ろに突き出すような感じで腰を折って前掲させ、ちょうど最敬礼をするような立ち方」がよいとされている。俗にいう「鳩胸でっちり」スタイルである。
 ここで、紹介されている立ち方は、この鳩胸でっちりタイプと全く異なっているが、他のスポーツでは普通に使われている立ち方だ。例えば、スキーがそうである。スキーで滑るときに、ここに書かれているのと同じ立ち方をする。斜面のコブなどに柔軟に対処できるように、膝をサスペンション代わりに使うためで、実際こういう姿勢で滑ってみると、コブを膝が勝手に吸収してくれて、上半身が安定したすべりができる。サッカーなども同じような立ち方をしているように見える。
 ただ、ゴルフの場合、この姿勢でうまく振れるのかどうかは試してみないとわからない。