近似

 近似をwikipediaでひくと、

近似(きんじ、approximation)とは、数学や物理学において、複雑な対象の解析を容易にするため、細部を無視して、対象を単純化する行為。

とある。
 また、大辞林によると、

(1)非常に似ていること。
(2)ある数量に非常に近いこと。

となっている。
 wikipediaの意味は、大辞林の(2)の意味をもう少し理学的に記述したものになっている。
 さて、何が述べたいのかというと物理の世界は全て近似で表現されているに過ぎないということ。そして、対象となるものの大きさによって近似のしかたが異なってくる。
 例えば、我々が視覚等で認識できる大きさのものに関しては、ニュートン力学でだいたいの物が近似できる。我々が視覚等で認識できる大きさというのは、ミリメートル単位もしくはミクロンメートル単位までくらいか。その程度の大きさの物は、高校生で習ったニュートン力学で近似して差し支えない。
 しかし、それよりも小さな大きさのもの例えば、電子だったり光を対象とする場合は、近似のしかたが変わってきて、アインシュタインが考案した一般相対性理論量子力学による近似が必要になってくる。
 数学的な近似を見てみると、お馴染みのルート2がある。このルート2は、1.4142135623730950488016887242097・・・と小数点以下が延々と続く無理数だ。こうした数字を丸めることも近似にあたる。通常、ルート2はだいたい1.41ぐらいで使われるのだが、物理の世界では、これも扱う大きさによって異なってくることになる。
 普段生活では、ニュートン力学による近似くらいで十分だと思う。ただ、電気や電磁波のことをある程度理解したい場合は、もう少し違った知識が必要になってくる。物質の波としての性質だ。
 波は、たくさん物が集まったときに見られる現象である。例えば、水の分子がたくさん集まって、海の波を起こす。これと同じように電気も電子がたくさん集まって、波の性質を発揮する。
 子どもの頃、電気回路を教わるとき、電気はプラス電極からマイナス電極に流れるが、電子はマイナス電極からプレス電極に移動すると習ったような記憶がある。しかし、電子の個々が電線の中を猛スピードで移動しているのではなく、集団になった電子がプラス方向に押し出されるといった表現の方が正確だと思う。ちょうど、水道管に水がたくさん詰まっていて、蛇口を開けるとそれが押し出されるイメージに近い。
 こうした動きは、波としての性質なので、電気は、波形を描いて記述される。
 電磁波にしても、電子と同じ波としての性質をもつ。これらのことぐらいは、常識として身につけていても損はないと思う。