アイザック・ニュートン(7)

 E.オマール著「不思議な数eの物語」より引用。

 次に、ニュートンは接線問題の逆を考えた:流率が与えられたとき流れを求める問題。一般的にいって、これはもっと難しい問題である(割り算が掛け算よりもむずかしく、平方根を求める方が2乗するよりむずかしいように、簡単な場合には”推測”で結果を求めることができる;例えば流率\dot{y}=2x\dot{x}が与えられたとき、流れyを求めよ。一つ明らかな答えがy=x^2であるが、y=x^2+5もまた答えであるし、x^2-8も答えである;実際、cを任意の定数としてx^2+cが答えである。理由は、これらの全ての関数のグラフがy=x^2を上下に移動することによって得られるので、xの与えられた値における傾きは等しいからである。このように、ある与えられた流率には任意定数だけ異なる無限に多くの流れが対応する。

 不定積分の場合、y軸方向に平行移動しただけ答えがあるというのは、接線が傾き(xyとの比率)であると考えると何となく理解したように思える。しかし、x軸方向に平行したものの傾きも同じでのではないだろうか?x軸に1だけ平行移動した放物線y=(x+1)^2は、y=(x+1)^2=x^2+2x+1だから、y=(x+1)^2微分すると\frac{dy}{dx}=2x+2となる。これは同じ傾きではないのか?y軸に平行移動した場合とx軸に平行した場合の数学的な違いがよくわからない。