金属はなぜ光沢を持つのか

 細野秀雄・神谷俊夫共著「透明金属が拓く驚異の世界 不可能に挑むナノテクノロジーの錬金術 (サイエンス・アイ新書)」(ソフトバンククリエイティブ)からの要約。

  • 金属と半導体の反射率を実際に測定した結果を図に示す。
  • 銀は可視光全域、400nmまでの光をほぼ100%反射するため、可視光の色が全部混じった白色に見え、表面を平坦に磨いておけば鏡のようにある方向だけきらりとまぶしく光る銀色の金属光沢に見える。
  • 金は、緑色の500nmよりも長い光をほぼ100%反射しているが、それより短い波長の反射率は半分程度まで落ちる。青色に比べて赤色と緑色の光の反射強度がかなり小さくなるので、赤と緑の混じった黄色に見える。-反射率は高いので、銀と同様に光沢が見えるため金色になる。
  • 銀、金、銅といった金属が波長の長い領域で反射率がほぼ100%であるのは「プラズマ振動数」によるもの。
  • 金属の電子密度(6 \times 10^{22}以上)が高いため、プラズマ振動数に対応する波長が短くなる。