日常の変化を電子ボルトで表すと

 細野秀雄・神谷俊夫共著「透明金属が拓く驚異の世界」(ソフトバンククリエイティブ)からの要約。

水の温度を1℃上げるのに必要なエネルギー

  • 水1gの温度を1℃上げるのに必要なエネルギーは、4.2J。
  • 水分子(H_{2}O)の分子量は18だから、1gの中にある水分子の数は N_A / 18  = 3.7 \times 10^22個(NA:アボガドロ数)。
  • 従って、水分子1個あたりのエネルギーは、0.0007 eV。4.2 / (1.6 \times 10^{-19} ) / 3.7 \times 10^{22} = 7 \times 10^{-4} = 0.0007 [eV]
  • 0℃の水1gを100℃まで上げるのに必要な水分子1個あたりのエネルギーは0.07 eV。

氷を溶かすのに必要なエネルギー

  • これを融解熱といい、水の場合は6.01 kJ/mol。
  • 1mol = 6.6 \times 10^{23}
  • 水1分子当たりの融解熱は、0.057 eV。

水を蒸発させるのに必要なエネルギー

  • これを蒸発熱といい、100℃の水を蒸発させるには40.66 kJ/mol 必要。
  • 水分子1個あたりでは、0.42 eV になる。

室温の熱エネルギー

  • 温度は、原子や分子が運動しているエネルギーそのもの
  • 温度 T [K] での熱エネルギーは、ボルツマン定数k_{B} = 1.38 \times 10^{-23}  J/K を使って、で計算できる。室温を27℃=300 K とすると、

室温の熱エネルギー = (1.38 \times 10^{-23}  / 1.6 \times 10^{-19} ) \times 300 = 0.026eV

可視光の光子エネルギー

  • 光子のエネルギー [eV] = 1240 / 光の波長
  • 可視光の範囲を400〜800 nm とすると、1.55 〜 3.1 eVとなる。

まとめ

  • 室温(27℃=300K)の熱エネルギー    0.026 eV
  • 液体状態の水分子1個の温度を1℃上げる 0.0007 eV
  • 固体状態の水分子1個を液体状態にする 0.057 eV
  • 液体状態の水分子1個を期待状態にする 0.42 eV
  • 可視光の光子エネルギー 1.55 〜 3.1 eV