白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞

 岡田正彦著「人はなぜ太るのか―肥満を科学する (岩波新書)」からの引用。

 皮下や内臓には脂肪細胞なるものが多数ある。脂肪細胞は二つの種類、つまり白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞に分けることができるが、圧倒的に多いのは前者の方で、脂肪内に大量の脂肪滴(中性脂肪)をためこんでいる。(中略)肥満は、成長した白色脂肪細胞が皮下や内臓の周囲に集まった状態ということができる。
 問題は、白色脂肪細胞が生後まもなくから、ふえはじめることで、幼小児期から思春期にかけて過食がつづくと、子供のときに太るだけでなく、大人になってからの肥満も運命づけられてしまう。成長期だからといって油断して食べすぎてはいけないのである。
 一方、もう一つの褐色脂肪細胞は、一部の内臓や筋肉など、ごくかぎられた場所にわずかに存在しているにすぎない。中性脂肪を熱に変換するのが主な仕事で、成長期に入ってから特に活躍することになる。この細胞には、エネルギーをつくるミトコンドリアが多数含まれているため、褐色にみえるのである。つまり褐色脂肪細胞は、肥満を解消するために働いていることになる。

 脂肪細胞をエネルギーの貯蔵庫として、考えた場合、受け皿が白色脂肪細胞で、エネルギーを取り出す側が、褐色脂肪細胞のようだ。引用部分の文脈から判断すると、白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞のバランスがあまり良くないようだ。受け皿の方が多くて、消費側が少ないといったところか。
 以前、細胞の数は成長期までに決まってしまい、その後体重が上下するのは、細胞の大きさが変わるからだという話を聞いたことがある。もちろん、筋肉などの細胞の大きさが変わることもあるだろうが、白色脂肪細胞が中性脂肪を蓄えて大きくなっていくのが肥満ということになるのだろう。
 高校生とときは、体重が56〜57㎏ぐらいだった。この頃、水泳をしていて、食欲も旺盛で、一日5食も食べていた記憶がある。受験になり、水泳ができなくなったが、食欲は落ちないという悪循環のもと、大学に入った頃には、体重が20キログラムも増え、76㎏までいってしまった。その後、病気にかかったせいもあり、今は65㎏前後を行き来している。あと、3〜4㎏落とせば、BMIの理想値に近づく。来年末までに、この理想値を目指す。