WHO刊行「BSEの脅威について理解する」④

2. 消費者保護のための問題提起から
WHOからの問題定義②

特定危険部位は除去、処分されているか。
 BSEの原因となる病原体は、動物の体内で均一に分布するわけではなく、特定の組織、特に脳、脊髄、中枢神経系に関連する部位に集中している。こういった特定の危険部位を除去、処分する厳格な措置を実施することによって、即座に食品の安全性を向上させ、BSEが発生した国でも消費者を保護することが出来る。

 BSEの原因となる病原体は、特定の組織、特に脳、脊髄、中枢神経系に関連する部位に集中している。特定の危険部位を除去、処分することで、食品の安全性を向上し、消費者保護が行える。

と畜場での交差汚染を防ぐ適切な措置は取られているか。
 BSE病原体(恐らく変異型CJDの病原体でもある)は、牛の骨格筋では未だ発見されたことがない。とはいえ、感染した牛の脳1グラム 以下(コショウ粒大)というほんの微量で、牛の感染源として十分作用する。ヒトに関しても、感染を起こす量がどれくらいかは未だ明らかにされていないが、やはり牛と同様に少量であると考えられる。したがって、交差汚染を阻止する対策をとることが極めて重要であるといえるだろう。安全なと殺方法をとることによって、特定危険部位が牛肉と接触し、汚染するのを防ぐことが出来る。

 BSE病原体は、感染した牛の脳1グラム以下(コショウ粒大)というほんの微量で、牛の感染源として十分作用する。ヒトに関してどのくらいで感染するかは未だに不明だが、牛と同様に少量であると考えられている。従って安全なと殺方法をとり、特定危険部位が牛肉と接触しないようにする必要がある。

BSE汚染の可能性がある他の肉製品は何か。
 ワイヤーブラシや機具を使用し、骨や脊椎に付着した肉片を取ると、感染した神経組織を取り出してしまい、本来安全であった肉を汚染させる可能性がある。このような「機械的除去肉」は、加工肉製品に使用される。機械処理による肉の回収によって、汚染された神経細胞が肉に含まれ、それを使用した製品を通してBSEの病原体がヒトに感染したと考える専門家もいる。機械処理で回収された肉の中に神経細胞が含まれないようにするという技術は、特にBSEの危険性が高い国において、重要な対策となるであろう。

 機械で骨や脊髄に付着した肉片を取ると、感染した神経組織を取り出してしまい、本来安全であった肉が汚染する可能性がある。機械処理で回収された肉の中に神経細胞が含まれないようにする技術確立が望まれる。

安全対策は厳しく管理されているか。
 安全対策を奨励するだけでは十分とはいえない。このような対策は、厳格に施行されるべきであり、できれば法律が制定されるのが理想である。さらに獣医および食品衛生当局によって管理されなければならない。

 日本の場合、このあたりは問題ないと思う。

安全な食物:
 現在までに判明した知見に基づいて科学者はBSEがその国にあるか無いかに関わらず、一部の牛製品の安全性に同意している。食用およびその他の使用に際して安全であるとされる牛製品の中には、牛乳および乳製品、獣皮のみから回収されたゼラチン、獣皮のみから回収されるコラーゲンが含まれる。また牛肉の大部分を占める骨格筋組織では感染性は認められていない。牛肉は と畜場での処理過程で汚染されない限り、牛乳や乳製品と同じように摂取しても安全であると多くの科学者が考えている。

 牛製品で安全性が同意されているのは、牛乳および乳製品、獣皮のみから回収されたゼラチン、獣皮のみから回収されるコラーゲンなど。