ExTEND2005に化学物質に関するリスクコミュニケーションを入れた訳

内分泌かく乱作用の報道では、魚のオスの生殖器にメスの卵細胞のようなものが見えるということで、いきなり「メス化」という言葉がクローズアップされましたが、実際にはその卵が孵ってメダカになるわけではないし、精巣の中に卵細胞があっても精巣としての機能がなくなるわけではありません。また、自然界で通常の状況でそういった状態がある場合もあることは、専門外の人にはあまり認識されていませんでした。そういう裏づけの部分をちゃんと説明する前に、「メス化」という言葉がメディアに躍り出たとたん、少子化もこのせいじゃないのかというような騒ぎになってしまいました。ちゃんと説明する情報提供のスキルがなかったという反省が、このテーマを立てた理由のひとつです。

 印象的な「メス化」という言葉が、その現象がどういう状況を生み出すか、また、自然界においても起こっている事柄でもあることをうまく説明できなかったとを反省している。