私は中西準子さんを支援します。

 私は、中小企業で製品開発を行っているサラリーマンです。雑感286-2004.12.24に記載されている学者のリスクコミュニケーションに関して、共感しています。裁判で問題視されている部分に関しても名誉毀損にあたるとは思えません。学者である以上、最低限守って欲しい部分であり、ぜひ、学者の方々に実践して頂きたい内容だと思います。
 私は、昨年度から当社顧客向けに発行している情報誌に「環境を考える」というシリーズを書いています。持続可能な循環型社会、地球温暖化問題、化学物質のリスク評価などをテーマとして科学的知識があまりお持ちでない方々に発信しています。専門家がこれらの問題についてどう考えているかを紹介し、それにコメントを載せる形式を取っているため、専門家の意見で責任感が無いものはどうしても採用できません。原論文を私たちが読むには時間的な制約があり、なかなかそこまでは目が通せません。また、専門家であるからこそ原論文に目を通していると信じて紹介しています。従って、中西さんがおっしゃっていることを専門家に実施してもらわないと困るのです。
 京都大学の松井さんの発表内容を読みますと、SPEED'98の本来の目的であった内分泌かく乱作用が疑われる物質のリスク評価と全然関係ない内容が研究されているように見えます。まして、シンポジウムのリスクコミュニケーションをテーマとしたパネルディスカッションとは無縁の内容に読めます。当日パネルディスカッションには参加できなかったのですが、その前の二日間、シンポジウムの発表を聞いていました。その時も同じ印象を感じました。第7回ということは、7年以上かけて行われている研究テーマだと思うのですが、最初の段階で、費用対効果、時間対効果も精査した上、テーマ化してもらいたかったと思います。ダイオキシン騒動にしろ、環境ホルモン騒動にしろ、問題がはっきりするのに時間がかかり、その間企業は検査機器や試験費など膨大な費用を掛けざる得ませんでした。こういうことが起こらないように、専門家の間できちんとした議論が行われることを願っております。
 そのためには、きちんとしたリスクコミュニケーションが専門家の間で行われる必要があり、中西さんの研究が活かされるべきだと考えています。
 従って、私は中西準子さんを支援します。

平成18年1月18日
山下喜代彦