酒造メーカーのわさび漬け

 先月、澤ノ井というお酒を製造している小澤酒造で買い求めたわさび漬けを食べて、そのうまさに驚いた。考えてみると当たり前と言えば当たり前で、わさびを酒粕に漬けて作るわさび漬けは、酒粕がうまくなければうまくならないはずだ。

 小澤酒造のわさび漬けは、わさび漬け特有のつんとする辛さを酒粕がうまい具合に中和してくれる。また、酒粕の舌触りがなめらかだ。表現はオーバーだか、アイスクリームの舌触りに似ている。また、変なにおいもない。かまぼこにのせて食べたのだが、スーパーなどで買ってくるわさび漬けは、醤油を少し垂らしてにおいをごまかして食べる。ところが、酒粕が新鮮で臭みがないと醤油を垂らしてしまうと、逆にわさび漬けの風味を消してしまう。

 先週、また、小澤酒造に行って、わさび漬けを購入してきた。ふと店先のよこを見ると酒粕が山のように積まれて売られていた。一瞬どうしようか迷ったが、販売されている酒粕の量は、一人暮らしには多すぎて使え切れそうもなかったので、購入するのはあきらめた。新酒の時期でもあり、あの酒粕はさぞかし、おいしいのだろうな。