ステガノグラフィー

サイモン・シン著「暗号解読」より引用。

 メッセージの存在を隠すタイプの秘密通信のことを「ステガノグラフィー」という。この言葉は、ギリシャ語で「被う」を意味する「ステガノス」と、「書く」を意味する「グランペイン」に由来する。ヘロドトス依頼二千年にわたり、世界各地でさまざまなタイプのステガノグラフィーが用いられてきた。古代中国では、薄絹に文字を書いて小さく丸め、それを蝋で被ったものを伝令が飲み込んで運んだ。十六世紀のイタリアでは科学者のジョヴァンニ・ポルタが、固ゆで卵にメッセージを隠す方法について次のように書いている。まず明礬と酢を一対二十の割合で混ぜ合わせたインクを作り、ゆで卵の殻にメッセージを書く。明礬溶液は多孔質の殻にしみこみ、固ゆでになった卵白の表面にメッセージを残す。受取人が殻をむけばメッセージが現れるという仕組みである。不可視インクを使うのもステガノグラフィーの一種である。大プリニウスは西暦一世紀に、トウダイグサの「乳」は不可視インクになると書いている。この植物からしみ出す白い液体は乾燥すると透明になるが、それに灰を振りかけるとメッセージが浮かび上がるのである。一般に、動植物から取った液体はあぶり出しに使えることが多いが、それは炭素を豊富に含むために焦げやすいからである。現代のスパイも、不可視インクの手持ちがなくなると、自分の尿で間に合わせることがある。

 サイモン・シンの2冊目を読み始めた。サイモン・シンの本は、非常にわかりやすい文体で書かれているので、読みやすいし、おもしろいのであるが、そこに含まれている情報が豊富なだけに、中で使われている単語の意味を読んでる間に忘れてしまうことが多々ある。頭の悪い証拠なのだが・・・。
 そのため、言葉を解説している部分を抜き取り、ブログに納めていくつもりである。従って、コメントなしになってしまうかもしれない。