2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

WHO刊行「BSEの脅威について理解する」⑤

3. 悪名高く、謎の多い一連の病気から BSEは進行性の神経組織の変性を特徴とする牛の伝達性脳疾患である。この病原体は特殊であって、まだ十分に解明されていない。しかしこの病原体は、ヒツジやヤギのスクレイピーの病原体と類似している。スクレイピーにつ…

佐川急便、宅急便のクレジット決済で特許を獲得

日経新聞の今日の記事。佐川急便に「eコレクト」がビジネスモデル特許として認定を受けたというもの。 佐川急便は29日、宅配便の配達時の支払いでクレジットカード決済ができるサービス「eコレクト」がビジネスモデル特許として特許庁から認定を受けたこと…

WHO刊行「BSEの脅威について理解する」④

2. 消費者保護のための問題提起から WHOからの問題定義② 特定危険部位は除去、処分されているか。 BSEの原因となる病原体は、動物の体内で均一に分布するわけではなく、特定の組織、特に脳、脊髄、中枢神経系に関連する部位に集中している。こういった特…

WHO刊行「BSEの脅威について理解する」③

2. 消費者保護のための問題提起から WHOからの問題定義① 牛の飼料として何が与えられているのか。 BSEが牛のと体の再利用と関係があるのは明らかである。牛の と体から回収したいわゆる「肉骨粉」を、餌として他の牛に与えることがBSEの原因である。反…

WHO刊行「BSEの脅威について理解する」②

2. 消費者保護のための問題提起から BSE「狂牛病」は、謎の多い新しい病気である。ウシにおける症例は1986年に英国で初めて報告された。1996年には、ウシに発生したBSEの流行と関連のあるもう一つの病気、変異型クロイツフェルトヤコブ病、変異型CJD(vCJD)…

WHO刊行「BSEの脅威について理解する」①

同書の「はじめに」の部分。 われわれの地球上での生活の変化が、微生物の世界の均衡を撹乱し続けてきた。微生物は急速に増殖し、頻繁に変異し、比較的容易に新しい環境や宿主に適応していく。彼らは、すばやく新しい機会を利用し、変化して、そして広がって…

企業や行政に対する市民の不信感

そうはいっても、企業や行政に対する市民の不信感にはとても根強いものがあります。この点については産総研(産業技術総合研究所)が面白いデータを取っています。一般の人にどこの情報を信用するかを訊ねてみると、企業と行政の情報は全然信用されていませ…

化学物質と天然物

化学物質の環境リスクを低減することが望ましいのはもちろんですが、化学物質は危なくて天然ならいいとは絶対に言えません。蜂に刺されて亡くなる人もあればハブに噛まれて死ぬ場合もあります。毒キノコもトリカブトも、天然で有害な作用を発揮するものはた…

ゼロリスクを求める社会的な風潮

それと、これは社会の責任というよりも我々ももっと努力すべき問題だと思いますが、ゼロリスクを求める社会的な風潮があまりに強いことです。私たち人間はいろいろなリスクに曝されながら生きていくものだという発想が欠けてきて、極端な清潔志向、汚染物質…

ExTEND2005に化学物質に関するリスクコミュニケーションを入れた訳

内分泌かく乱作用の報道では、魚のオスの生殖器にメスの卵細胞のようなものが見えるということで、いきなり「メス化」という言葉がクローズアップされましたが、実際にはその卵が孵ってメダカになるわけではないし、精巣の中に卵細胞があっても精巣としての…

環境省の環境ホルモン問題に対する考え方

環境省環境保健部環境安全課長 上家和子氏が、塩化ビニル環境対策協議会のホームページで、化学物質や環境ホルモン問題に関する環境省の考え方を述べている。 http://www.pvc.or.jp/news_ind/56-03.html 環境ホルモンに関しては、すでにExTEND2005を発表し、…

日本WBC世界一おめでとう!

【サンディエゴ(米カリフォルニア州)=中村彰宏】米大リーグの選手が本格的に参加して開催された野球の第一回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は二十日(日本時間二十一日)、サンディエゴのペトコ・パークで決勝を行い、王貞治監督(ソフト…

環境ホルモン訴訟の原告側の反応

環境ホルモン訴訟の原告側の「訴訟以降のインターネット上議論に対する反応」(別途、訴訟する容易があるといった反応)とこの梅田氏の「ウェブにおけるメディア組織に認められた表現者と多数のブログ作成者との関係」が結びついているように思える。国から…

権威をもったものと不特定多数無限大

梅田望夫著「ウェブ進化論」(ちくま新書)を読んでいる。梅田氏によると、「ムーアの法則」(あらゆるIT関連製品コストは、年率30%から40%で下落していく(広義意味))によってもたらされた「チープ革命」によって、誰もがコストを意識することなく自ら…

フードファディズムの温床

フードファディズムが生まれ、はびこる条件 これはよい、あれはだめ、と選ぶことが出来るだけの十分な食料が供給されている。 食料の生産や製造に対してある種の不安や不信が漂っている。 強い健康志向がある。 物事を論理的かつ多面的に考えることを面倒く…

サプリメントは免罪符?

「自分の食生活はこれでよいのだろうか」と、ある種の不安を抱える消費者の心に、サプリメント(栄養補助食品)は免罪符とされることがある。「食物繊維が不足している現代人」に対して「いろいろな食品からとるように食生活を見直そう」という提案よりも、…

「健康食品化」された食品成分の利用に異議あり

有用とされる成分を抽出・濃縮し、錠剤化した「健康食品」を摂取すればよい、という考え方には賛成できない。緑茶から抽出した「カテキン粒」、赤ワインから抽出した「ポリフェノール錠」、魚油から抽出した「EPA・DHA剤」、錠剤化された「大豆の有用…

距離を置きたい効能・効果主義

「栄養になる」ではない、何らかの「保健効果」を期待して食べることを、「効能・効果主義で食べる」と呼んでいる。食品を摂取する意義を、その食品が有するかもしれない狭い意味での「保健効果」に求めるのは、食品が有する価値を矮小化するように思えてな…

健康に影響する食生活、しかし・・・

食べものはあくまでも「食べもの」。「薬」でも「毒」でもない。「それを食べさえすれば健康が保証される」も「それを食べると病気になる」も、いずれも食べものが本来果たすべき役割以上の期待や懸念。 食と健康が深く関わることは事実であるが、特定の食べ…

体への影響を論ずるトリック

食品や食品成分が体によいだの悪いだのとして取り上げられるとき、どのような経路でそれを摂取するのか、まだどれだけの量を摂取してその影響が見られたのかが無視されることがよくある。無視できるほど、生体と外界からの物質との関係はそれほど単純ではな…

フードファディズムの種類

健康効果をうたう食品の爆発的な流行 それさえ食べれ(飲め)ば健康問題がすべて解消するかのように吹聴して、特定の食品などが大流行する現象。例)紅茶キノコ(1975年頃)、酢大豆(1988年頃)、野菜スープ(1994年頃)、ココア(1996年頃)、最近では、ヨ…

フードファディズムとは?

フードファディズム(Food faddism):食べ物が健康や病気に与える影響を誇大に評価したり信奉すること。食と健康を過大評価すること。神話:確かな根拠がないにもかかわらず、多くの人々に何となく信じられている事柄を比喩的にいう。

『「食べものの神話」の落とし穴』要約①

高橋久仁子著『「食べ物の神話」の落とし穴』(講談社ブルーバックス)から要約して記載しています。