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<span style="font-weight:bold;">ライフサイクルアセスメント(LCA)の概要</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 図3ー32に示すように、製品ライフサイクルの各工程でさまざまなエネルギーや資源が投入され、環境負荷物質が排出されます。LCAは、製品ライフサイクルの各工程におけるインプットデータ(エネルギーや天然資源の投入量等)、アウトプットデータ(環境へ排出される環境負荷物質の量等)を科学的・定量的に収集し、その結果を評価するものです。
 データの収集は自ら測定することが望ましいですが、すべてのデータを集めるのは多くの艱難がともないます。このような場合、製品ライフサイクルの一部の工程を文献等で発表されているデータ(バックグラウンドデータという)を使って補う方法がとられます。
 これまで、バックグラウンドデータが整備されていなかったためLCAを行うことは大変な作業でしたが、最近では、バックグラウンドデータとしての汎用データベースも整備されつつあり、LCAの活用がいっそう進むことが期待されます。
 図表3ー33は、自動車についてLCAの実施結果の一例で、地球温暖化物質の二酸化炭素の排出量で分析した結果です。ガソリン車では使用段階(図表3ー33の走行部分)での二酸化炭素排出量が製品ライフサイクルの約75%を占め、環境負荷の低減には燃費改善がもっとも効果のあることがわかります。この結果を活用して大幅な燃費向上をめざしたのがハイブリット車で、あるメーカーのハイブリット車の場合、ライフサイクル全体の二酸化炭素排出量はガソリン車の約70%と燃費改善を達成しています。
 このように、LCAを活用することにより、改善点を明確にした開発が可能となり、製品の環境改善の強力なツールとなっています。

 私たちは、生きているかぎりどんな生活をしても、エネルギーを消費し、二酸化炭素や熱を排出します。従って、まったく環境負荷をかけないで生きていくことはできないのです。しかし、効率よく環境負荷を軽減させることはできると思います。LCAは、一番効率のよい方法を明示してくれる分析データです。
 自動車の例でいれば、製造までにかかる負荷よりも使用時の負荷の方が大きく、燃費向上が一番効率よく環境負荷を軽減できる手段であることがわかります。


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