<span style="font-weight:bold;">野生生物種減少の現状</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 国際自然保護連合レッドリスト(2004年)によれば、世界で15,600種が絶滅危惧種とされ、未確認の生物まで含めればこの数倍にも達すると指摘しています。
 特に深刻なのが、熱帯雨林の開発・減少による絶滅の進行です。熱帯雨林は、陸地面積のわずか約6%ですが、地球上の生物種の半分以上が生息するといわれています。ここでは毎年、わが国の4割にも相当する面積の森林が失われており、今後25年間に約4〜8%の生物が絶滅するという試算もあります。
 わが国では、2007年時点で3,100種を越す生物がレッドデータブック環境省)に掲載され、絶滅が危惧されています。近年、トキやコウノトリの野生復帰が話題になっていますが、里地里山の農村環境が大きく変化し、多くの生物が急速に数を減らしています。メダカやキキョウなど、かつて身近にいた生物も絶滅危惧種に指定され、その生息環境とともに早急な保護・保全が必要となっています。
 また、生息場所の移動が困難な多くの生物にとって、地球温暖化による急速な環境変化は深刻な問題です。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が2007年に発表した第4次評価報告書は、地球の平均気温が1.5〜2.5℃上昇した場合、生物種の20〜30%について絶滅の危険が高まると警告しています。地球温暖化の防止は、生物多様性保全にも重要な課題なのです。p.73

 レッドリストレッドデータブックは、絶滅のおそれのある野生生物のリストです。レッドリストは種名や絶滅の危険度などを記載するだけに対して、レッドデータブックはその生物の生活史や分布などより詳細なデータが掲載されています。

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