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<span style="font-weight:bold;">生物と二酸化炭素(炭素循環)</span>

eco検定

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 地球上の炭素は、生物体内や大気、海洋に炭素化合物として存在し、それぞれの間で相互に移動・変換・貯蔵を繰り返しながら循環しており、この「炭素循環」の収支は、地球温暖化を考えるうえで重要な指標とされ研究が進められています。図表2ー13は、その一例です。
 炭素は、生物の身体を構成する主要な元素のひとつです。植物の大気中の二酸化炭素を使って行う光合成でつくられた有機物(炭素化合物)は、食物連鎖を通じて生物間を移動し、やがて分解され二酸化炭素となって大気中に還ってきます。生物によって繰り返されるこの循環は、大気中の二酸化炭素濃度の安定に大きな役割を担っています。
 図表2ー13によれば、森林などの陸上生物に保管される炭素は約6,100億トンですが、土壌中にあるそれらの遺骸や有機物とあわせ、生物圏には約2兆3,000億トンが貯蔵されています。熱帯林など森林の大規模伐採は、土壌中の有機物の分解促進とも相まって、生物による二酸化炭素の貯蔵機能の低下を引き起こしています。
 炭素の最大の保管庫は海洋です。海の表層部に約9,000億トンの炭素があり、大気との間で活発に二酸化炭素の交換が行われています。表層にとけ込んだ二酸化炭素は植物プランクトンが行う光合成に利用され、食物連鎖を経て生物ポンプにより中深層に送り出されます。中深層には、大気の約50倍、37兆トンもの炭素が存在すると推定されています。
 大気中の炭素量は約7,600億トンといわれ、海洋や生物との交換を繰り返しながら安定的に維持されてきましたが、産業革命以降、人間活動にともなう化石燃料の燃焼や森林伐採によって大気中の二酸化炭素濃度が増加し、地球温暖化の原因となっています。p.37

 図表2ー13は、今回の改訂で初めて登場した図表です。出題される可能性があるので、図の内容を理解するのようにしてください。
 環境問題を扱う上で、どうしてもおぼろげにでも理解しないといけないのが、二酸化炭素と炭素です。今回は、この二つの物質について簡単に説明します。
 すでに理解している人は読み飛ばしていただいて結構です。
 木や草などの植物、そして、我々人間を含む動物にも多くの炭素が含まれています。ただし、ほとんどが炭素原子がいくつも連なって、また、他の酸素や窒素も巻き込んだ化合物というかたちで体内に存在しています。脂肪とか炭水化物とアミノ酸といった呼び方をされていますが、これらは、すべて炭素を含んだ化合物です。
 炭素を含んだ化合物を炭素化合物とか有機物とかいう場合があります。特に有機物とは、岩や石など無機質なものと区別するために用いられ、主に生命に関わる化合物の総称として使われています。逆に言えば、炭素を含んだ化合物が私たち動物や植物の体を支えているのです。
 では、炭素は単体だとどういう形をしているのでしょうか?動物や植物を燃やしたときにすすがでますが、あの黒い粉が炭素の正体です。冷蔵庫に脱臭剤として使われる活性炭も炭素が固まったものです。黒い色をしていますよね。
 ただ、炭素も結晶構造をとって集まった場合は、ダイヤモンドという非常に硬度の高い(硬い)物質になります。あの宝石のダイヤモンドです。現在のところ、地球上にある物質で一番硬いといわれています。
 このように、地表上では、炭素は、固体の形で存在していることが多いようです。
 それでは、大気中では、どんな形をしているのでしょうか?もちろん細かいすすとなって大気中を浮遊しているものもあります。火山灰やばいじんがその例です。
 しかし、それとは違って、気体として大気中に存在するものがほとんどで、その代表が二酸化炭素です。
 植物や動物が燃えた(酸化した)場合、完全燃焼すれば、数種類の無機物と水と二酸化炭素に分解します。二酸化炭素は常温で気体ですから、空気中に漂うことになります。二酸化炭素は、名前の通り、二つの酸素原子と一つの炭素原子が結びついた化合物です。植物や動物が分解して原子に非常に近い状態まで戻ったものなので、二酸化炭素は無機物として扱われることが多いようです。
 さて、そんな二酸化炭素ですが、水に溶けたものは、飲料水でおなじみの炭酸水と呼ばれています。サイダーやコーラなのでシュワーとなるあれです。温泉など炭酸泉もお湯に二酸化炭素(炭酸)が溶けたものです。
 また、保冷剤として使われているドライアイスは、温度と圧力を下げて二酸化炭素を固体にしたものです。従って、ドライアイスは、溶けると気体となって二酸化炭素に変わります。
 このように、通常は固体である炭素は、酸素と結びつくと常温で気体となり、温室効果ガスとなるのです。
 ここの説明では、炭素の量を億トンベースで話をしています。炭素の重量と二酸化炭素の重量は、正確には違いますが、ほぼ同じ重さとしてとらえていてよいと思います。
 また、環境で扱われるとき、よく炭素換算という言葉がでてきます。これは、炭素を基準にして換算した値だと覚えてもらって結構です。実際に使用するときは、ちゃんと換算式が用意されていますので、イメージで理解できていいれば問題ないと思います。
 まあ、億トンベースで量を想像しろといわれても、誰も想像できないと思いますけど・・・。炭素は、圧倒的に海洋に貯蔵されていることだけは覚えておいてください。

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