数字当てクイズ

 長瀬勝彦著「あなたがお金で損をする本当の理由 (日経ビジネス人文庫 ブルー な 6-1)」の引用。

「ハインズ博士「超科学」をきる」(テレンス・ハインズ著、井山弘幸訳、化学同人、1995)によれば、有名なユリ・ゲラーが「超能力」ショーの会場でたびたび披露する技があるのだそうです。なんと、会場の客が頭に思い浮かべた数字を当てるというのです。
 ゲラーは呼びかけます。「一の位も一〇の位も奇数で、50よりも小さな二桁の数字を思い浮かべてください」。会場の客はみな頭の中で適当な数字を選びます。「見えてきました。それは「37」ではありませんか」。それが当たっていた客はびっくりしますが、ゲラーは続いて、「35」も見えたのだが、といいます。するとまた多くの人が当たっていたと驚くのです。
 種明かしをすれば、このような条件では、経験上、「35」か「37」を選ぶ人が多いのだそうです。簡単なことですが、人間の心理のクセをうまくついていますね。

(略)

 ところで、次の質問に答えてみてください。

 直感で一秒以内に答えてください。「一の位も一〇の位も奇数で、50よりも小さな二桁の数字」は全部で何個あると思いますか。

 正解は、たったの一〇個です。もっと多く予想した人が多かったのではないでしょうか。その人はきっと、質問文中の「50」という数字がアンカーになって、実際よりも多く見積もってしまったのでしょう。告白しますが、私もこの問題の特徴について考えているとき、ふと数えてみて初めて気がつきました。一〇個の中で当てるのだから、そう難しくはなさそうです。

 数えてみると、確かに10個しかない。11、13、15、17、19,31、33、35、37、39の10個。この中で13とか19,そして39というのは心理的にあまり選ばないのではないだろうか。すると、11、15、17、33、35、37の6つから選べばかなりの確率で当たるような気がする。客が当てられまいと考えた場合、さらに11と33ははずせる可能性が高いから、採取的には15と17と35と37の四つに絞る頃が出来る。
 ユリ・ゲラーは、非常に考えて超能力を使っていることになる。さすがにプロのマジシャンだ。