北千住駅の朝の風景

 北千住駅は、東武伊勢崎線が滑り込んでくる1階のホームと日比谷線の始発駅である3階のホームに別れている。もちろん東武伊勢崎線から日比谷線へ乗り入れている電車もあるので、そういう電車は直接3階ホームに滑り込む。1階ホームに乗り入れるのは、主に浅草行きの準急か普通、そして半蔵門線に乗り入れる急行電車だ。
 朝6時過ぎ、準急や急行に乗った乗客は、北千住駅の手前の小菅駅を通過する当たりからドアの前で列を組む。ついさっきまでシートに座り、うたた寝をしていた乗客たちも、臨戦態勢に入る前の準備運動をしながらドアの前に集まってくる。
 北千住駅に到着し、ドアが開いたとたん乗客たちは、一斉に走り出す。これが若い連中であれば、”血気盛んな若者たちよ”で済むのだが、走っている人たちのほとんどが白髪交じりの男たちなのだ。さっきまで、私は立っているのが辛いんですといった顔をしていた男たちが、これから起こる数分の為だけに力を注ごうとしている。そう、乗り換え後に座る席を求めて。
 階段を2段飛びで3階へと登っていく老人。エスカレターの上を忍者のごとく静かに駆け上る老人。元気だ。
 日比谷線に乗り換えて、席を確保した老人たちは、何事もなかったようにまたうたた寝をはじめる。その姿には、さっきのエネルギーはみじんも感じられない。
 北千住駅のホームでは、毎朝同じ光景が繰り返される。

 書くことをサボると、ずっとサボってしまう。これではいけないと思うのだが、ネタが切れ始めるとついサボってしまう。