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粉粒体の難しさ

 西成活裕著「渋滞学」(新潮選書)からの引用。

 このように液体と固体の性質が共存する粉粒体は大変やっかいな対象だ。意外なことだが、たとえば砂時計で1分を正確に測るのに必要な砂の量や容器の形を理論的に計算することすらまだ誰もできていない。実は市販の砂時計は、実験と経験と勘によって作られているのだ。時計の中身が砂ではなく水ならば、流体力学で正確にその落ちる時間は計算できるが、粉つぶになると基礎になる方程式すら物理学ではまだ確立されていない。宇宙に行ける時代でも粉つぶの動きの計算はたいへん難しいのだ。

 そういえば、何かの旅行番組で砂時計を作るシーンを見たことがある。ガラス容器を作る作業はもちろん職人の勘であり腕だった。ずらっと並べられたガラスの容器へ一度に砂をさっと詰め、その後、詰めた砂が落ちる時間を職人が全てチェックしていた。まさしく職人技の世界だったが、粉量体の理論が確立していないとは知らなかった。