硬筆書写用鉛筆

 先日、山形カロツェリアプロジェクトのメンバーが出展しているとのことで、青山でやっている「感性価値創造ミュージアム」を見てきた。菊池保寿堂の鉄瓶ポットとオリエンタルカーペットの絨毯が飾られていた。この二つもそれなりに良かったのだが、実は三菱鉛筆が出展していた硬質書写用鉛筆を使い、字を書いたところ、衝撃が走った。「そんなに字が下手になっていないじゃん。」と思わせてくれる書き味なのだ。病気をして、右手の痺れとずっとつき合っていて、一番つらいとことは、字がうまく書けないこと。どうしても、力のコントロールがうまくいかず、例えば、営業の「業」という文字などシャープペンで書くと見られたものではない字になってしまう。当然、字を書く作業はなるべく避けるようになり、文章はパソコンでしか書かない。それが、今の現状である。
 ところがこの鉛筆、ほとんど力を入れないで、字の強弱をうまく表せるのだ。どうしてこんなふうになるのかよくわからないが、本当に字がうまくなったように感じるのである。早速、文房具屋に言って何十年ぶりかでこの鉛筆を購入。今日朝鉛筆削り機で芯を出し、再び書いてみた。やはりうまく見える字が書ける。これなら人に見られても問題では無いレベル。おまけに字画の多い字もスムーズに書けるし、線の強弱もそれなりに表現できる。
 出典に際しての三菱鉛筆のコメントを最後に引用しておく。

 日本文字独自の美しさを表現できる硬筆。日本古来から伝わる「書道」。筆と墨を用いて文字を書くことで、自らの精神や感性を表現する。美しさに心を配って書く文字は、単なる「情報の伝達」とは異なり、「書」という芸術になる。トメ・ハネ・ハライといった日本文字独特の美しさを表現できる、太くなめらかな芯は、硬筆ながらも毛筆の表現力にこだわり「筆感」を実現している。

 まさしくそのとおりの鉛筆だ。