「テロ」という言葉について

 今日のNHK朝のニュースからの引用。

 イギリスのミリバンド外相は、15日付けのイギリスの新聞「ガーディアン」に「『テロとの戦い』は誤りだった」と題する文章を寄稿するとともに、訪問先のインドでの演説で持論を展開しました。この中でミリバンド外相は、アメリカのブッシュ政権がイラク戦争などで掲げてきた「テロとの戦い」という概念について、テロの脅威を強調するのに役立った面はあるものの、異なる背景や目的をもった勢力をかえって結びつけ、イスラム教徒の集結を狙う国際テロ組織アルカイダを利することになったと批判しました。また、ミリバンド外相は、テロは軍事力で抑え込むべきだという誤った考えも広がったと指摘し、テロを封じ込めるためには暴力や弾圧に頼ることなく、法秩序を重んじながら個別に問題を解決していかなければならないと訴えました。イギリス政府は、おととしのブラウン政権の誕生以来、「テロとの戦い」という表現を使うことを避けてきましたが、現職の閣僚がここまで強い表現で批判したのは、これが初めてです。

 へえ〜、イギリスは「テロとの戦い」という表現を使うことを避けてきたんだ。確かに、宗教的な争いが絶えないイギリスでは、よりシビアにこの手の言葉に反応する人が多いんだろうな。「テロ」という言葉は、まず正義ありきの言葉だから、必ず正しい側というのが存在する。つまり是が非論の片側からの見方になる。どちらも正当性を主張していれば、お互いがテロとなるのだから、ここに書かれているように集団の団結力を強めることはあっても、問題の解決には結びつかない。
 いい加減、アメリカからの生まれた言葉を鵜呑みにして使うのはよした方がよいと思う。特に、政治家の人たちにお願いしたい。