化学物質管理セミナー

 先週の金曜日、経済産業省主催の化学物質管理セミナーに参加してきた。化学物質管理に関して、主幹が環境省から経済産業省に移管されてたらしい。経済産業省の方は、化学物質管理に関する化管法(化学物質管理に関する法律の意味で、MSDS制度やPRTR制度など)について、規制から自主管理に移行した画期的な法律であることを強調していた。
 確かに、公害問題が多発していたころは、管による規制という意味合いが強い法律が適用されていた。それに比べると、企業が主体となって法律を遵守するというMSDS制度やPRTR制度は、まさに自主管理の法律になるのだろう。
 ただ、小さな政府を目指している今の政府体制では、多額の税金が投入される管による規制は、維持できないのも事実で、費用対効果を狙った法律であるともいえる。企業による自主的な管理の費用は企業が負担することになる。大企業であればそれも実現化のだが、多くの中小企業には負担が大きすぎる気もする。
 救済策として、一定基準以下の企業に関しては、国が情報を推測して公表することになっている。これは、他の国にはみられないもので、その分日本の法律は、一歩先を行っていることを強調していた。
 EUのREACH指令の発行理由に、化学物質管理に関して米国や日本に遅れをとっていることを認めた文面が記載されている。これらを踏まえてお役所は、我が国の法律を自負しているのであろう。
 REACHに関しては6月に施行されたが、具体的な化学物質のリストは、12月までにまとめるようだ。従って、リストに関しては、白紙の状態。ただ、ポリマー(高分子)は含まれないし、鉱物や自然に存在するガス等は対象とならない。従って、日本のPRTR制度で管理している化学物質よりもかなりきつい規制にはならないような気がする。
 従って、今の段階では、国内規制を遵守していれば、REACH指令への対応もかなり可能なのではないかと感じた。