グリップ(2)

 高松志門著「非力のゴルフ (知恵の森文庫)」からの引用。昨日に引き続きグリップに関しての部分。

 指先の丸くなっている頂点の部分は、人間の体のなかでも、もっとも神経が集中している。人間は暗闇を歩くときに、手を前に差し出し、その頂点の部分をいちばん先に出して歩く。そこがセンサーになっているからである。
 ゴルフも、クラブヘッドを速く振るには、このセンサーでヘッドを感じることが大切だ。指先でヘッドを感じようと思えば、グリップを強くにぎってはいけない。
 強くにぎると、指先のふくらみをクラブのグリップに押しつけるから、折角ある鋭敏なセンサーの働きを殺してしまい、ヘッドを感じることができなくなる。
 手のひらとグリップの間に隙間があっても一向にかまわない。むしろ手のなかでグリップが踊るように、ゆるゆるにフィンガーグリップでにぎることだ。
 ゆるく持てば、クラブを振るときに一番大事なヘッドの重みを感じることができる。
 当然、スウィングも、ヘッドの効いた速いスウィングになり、ヘッドの重みでボールを飛ばすことができる。だから非力な人ほど、弱く、ゆるくにぎらなければならない。

 実際、自分はかなり強くにぎっているらしい。この節の最後に、高松氏は「手袋が破れるのはもってのほか」といっているが、先週、3ラウンドしかし要していない手袋の親指部分がやぶれてしまった。ゆるゆるににぎるというのは、かなり難しいにぎり方なのである。