ナノテクカーボンでカテキンとタンニンを選択分離

独立行政法人物質・材料研究機構プレリリースから。

ナノテクカーボンでカテキンとタンニンを選択分離:操作は混ぜて分けるだけ!
「カーボンナノケージ」を用いるこの方法で、お茶の成分からタンニンのみを選択的に除き、貧血気味の人にやさしいお茶を作ったり、吸着したタンニンを回収すれば抗菌作用の強い成分だけを取り出したりすることが可能となる。本方法は、“混ぜて分ける”だけなので、高価な器具は一切必要とせず、また環境を害する有機溶媒も要さない。経済的にも環境的にもフレンドリーな手法である。

 カーボンナノケージで、お茶に含まれているタンニンだけを選択的に除去できるという内容。お茶にはタンニンとカテキン等のポリフェノール類がが含まれている。その中で「サイズの大きいポリフェノールであるタンニンは、鉄の吸収を阻害することから貧血治療などにおいては除きたい成分」なのだそうである。ただ、タンニンには殺菌作用があることも知られており、分離したタンニンをその用途に使用することは可能だそうだ。
 お茶が持つ殺菌作用は、このタンニンによるものらしい。タンニンに関しては、こことかここが詳しい。
 もともと、タンニンは植物が他の生き物から自衛するために、植物内部で作られるもののようだ。植物は、虫などの外敵から自分を守るためにタンニンの量を増やしたりするらしい。
 プレリリースには、急須からお茶を注ぐ写真が載っていて、CNC(カーボンナノケージ)フィルターの部分に目隠しがかかっている。実物は見せられないのかもしれないが、このフィルターを透すだけで、タンニンを除去できるということだろう。
 ただ、ナノサイズ粒子の安全性に関しては、まだ調査中のはずで、カーボンナノケージ自体の安全性はどうなのであろうか。
 そういえば、有機化学美術館・分館にナノチューブがお茶に溶けるという記事があった。確か、カテキンカーボンナノチューブが溶けるとか。はたしてカーボンナノケージはカテキンには溶けないのだろうか。