遺伝子の座、劣性と優性
E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約。
突然変異は、一個の染色体の中の一定の部分に起こるある変化により引き起こされる。
突然変異は、生物の型を変えるのにただちに効果を現すか否かに従って、優性あるいは劣性と呼ばれる。劣性変異が生物の型に影響を与えるためには、それらは一対の染色体の双方に存在しなければならない。このような個体を生ずるには、二つの同様な劣性の突然変異の個体がたまたまお互いに交配するか、自己交配するときに限る。
優性とか劣性というと何か良いもの悪いものといった意味合いを連想してしまうが、優性は強いという意味で、劣性は弱いという意味になるらしい。血液型を例にしたわかりやすい説明は、ここにある。
自然淘汰は、突然変異が遺伝することによって起こるという。Wikipediaによると、生物の進化は次の3つの条件を満たすときにおこるらしい。
- 生物の個体には、同じ種に属していても、さまざまな変異が見られる。(変異)
- そのような変異の中には、親から子へ伝えられるものがある。(遺伝)
- 変異の中には、自身の生存確率や次世代に残せる子の数に差を与えるものがある。(選択)
そして、3番目の選択に関わるのが自然淘汰(Wikipediaでは自然選択)だという。
前回までのE.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約
- E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞
- 統計物理学からみて、生物と無生物とは構造が根本的に異なっている
- 原子はなぜそんなに小さいのか?
- 生物体の働きには正確な物理法則が要る
- 物理法則は原子に関する統計に基づくものであり、近似的なものにすぎない
- 法則の精度は、多数の原子の参与していることがもとになっている
- 第二の例(ブラウン運動、拡散)
- 測定の精度の限界
- 分子数の平方根の法則
- 古典物理学者の予想は、決して詰まらぬものとは言い捨てられないが、誤っている
- 遺伝の暗号文(染色体)
- 生物体は細胞分裂(有糸分裂)で成長する
- 有糸分裂では、すべての染色体がそれぞれ二つになる
- 減数分裂と受精(接合)
- 遺伝子の大きさの限界
- 遺伝子の永続性