地球温暖化を考えるとき

 メモしておかないと忘れてしまうので、本当の意味での覚書です。
 石油が枯渇しようとしまいが、質量保存の法則に従い、原子のレベルで考えると地球上の物質の量は変わらない。従って、地球上の炭素と酸素の比率は枯渇前後で変わらない。
 それでは、何が変わるかというと、固体の中に綴じ込まれて制約を受けていた炭素と酸素が気体のかたちで空中や海中に解き放された状態になるということだろう。
 海にしろ、空中にしろ、気体として(海の場合、海の深さよっては、圧縮されて液体になっている可能性が高いが)存在する場合、現在の人間の力では制御できない。また、将来制御できたとしてもコストがかかりすぎてエネルギー収支が合わない可能性が高い。
 つまり、地球温暖化対策としてできることは、固体に閉じこめられている有機物(炭素や酸素など)の枯渇を遅らせることしかできないということだと思う。あとできるとしたら、排出した二酸化炭素を固体中に、つまり地殻に戻すということ。しかし、これにはかなりのコストがかかりそうである。
 バイオマス燃料といっているが、エネルギーとして使用した後、二酸化炭素を効率よく回収できなければ、現在の燃料の使用が膨大な量の石油に依存していることからわかるとおり、燃料の使用量を極端に減らさなければ、植物が吸収できる量をはるかに超えてしまっている。従って、バイオマス燃料に変えるだけでは温暖化を鈍らすことはできない。
 ここで、温暖化をストップできないと書かなかったのは、もうすでに海中に吸収された二酸化炭素の量が相当数に上り、今後二酸化炭素をまったく排出しないと仮定しても、地球の温度は何世紀にもわたって上昇してしまうということが言われているからだ。
 貯蔵された有機物の枯渇を遅らせるためには、なるべく輸送しないシステムが必要だ。物や人を移動するために使用されている燃料が、有機物の使用量をほぼ8割を占めている。そして、その74%が自動車による輸送だ。この使用量を半減以下に持っていかなければならない。地域分散型社会を実現し、極力無駄な輸送を押さえることが必要だろう。ITを活用してなるべく移動の少ない社会を築く必要だ。トラックや自動車の使用量を減らすためには、燃費の向上を全世界的なレベルで実現しなければならない。それが、動力的にハイブリットなのかディーゼルなのかは専門家に考えてもらうとしかないが。また、トラックなどの箱型をしているものは、形状を考えて風力抵抗を減らし、燃費向上を図るという方法もある。そして、軽量化が最も燃費に効いてくるだろう。安全性を重視し、車体重量がここ20年で相当重くなってしまっている。20年前の車体重量に戻す努力も必要だと思う。