デンプン

 Wikipediaからの引用

デンプン(澱粉、Starch)とは、分子式(C_{6}H_{10}O_{5})_{n} の炭水化物(多糖類)で、多数のα-グルコース分子がグリコシド結合によって重合した天然高分子である。構成単位であるグルコースとは異なる性質を示す。種子や球根などに多く含まれている。

高等植物の細胞において認められるデンプンの結晶(澱粉粒)やそれを取り出して集めたものも、一般にデンプンと呼ばれる。澱粉粒の形状や性質(特に糊化特性)は起源となった植物の種類によりかなり異なる。トウモロコシから取り出されたものを特にコーンスターチと呼ぶ。

グルコースがα1→4結合で多数連結すると、アミロース(でんぷん)となり、β1→4結合で多数連結するとセルロースとなる。

物理的性質

  • アミロース・アミロペクチンともに、白色の粒粉状物質で、無味・無臭。
  • アミロースは熱水に溶けるが、アミロペクチンは溶けない。
  • 天然の結晶状態にある澱粉をβデンプンと呼び、澱粉中の糖鎖間の水素結合が破壊され糖鎖が自由になった状態の澱粉をαデンプンと呼ぶ。

糊 化

澱粉を水中に懸濁し加熱すると、澱粉粒は吸水して次第に膨張する。加熱を続けると最終的には粒子が崩壊し、溶解する。この現象を糊化という。このとき、澱粉懸濁液は白濁した状態から次第に透明になり、急激に粘度を増す。粒子が最大限吸水した時粘度が最大となり、粒子の崩壊により粘度は低下する。

澱粉の糊化は、結晶構造をとっている澱粉分子の隙間に水分子が入り込むことでその構造が緩み、各枝が水中に広がることによって起こる。このとき澱粉が溶解しているように見えるが、前述したようにアミロペクチンは溶解しているわけではない。

加水分解

デンプン水溶液に希硫酸を加えて加熱すると、デンプンはデキストリン・マルトースを経てグルコースまで分解される。

デンプンの消化

人間が澱粉を食べるとまず、口で唾液中の消化酵素(プチアリンやマルターゼ)によりマルトース(α−グルコース二量体)に分解される。そして、小腸でブドウ糖グルコース)に分解され吸収される。

 デンプンは炭水化物であり、高分子である。従って、そのまま体に吸収されることはない。酵素で三量体もしくはグルコースに分解されて吸収される。酵素が行う反応は、加水分解である。酵素の分解方法は、2種類あり、高分子の端から順次分解していくタイプをエキソ型酵素、、高分子の内部の結合を分解するタイプをエンド型酵素というらしい。なんとなく名前が逆なような気がするが、相坂和夫著「酵素サイエンス (バイオテクノロジーシリーズ)」ではそう書いてある。
 ちなみに、デンプン(アミロース)とセルロースは、化学式が同じで、結合箇所が違う高分子。植物は、結合の仕方の違う2種類の高分子を持っていることになる。デンプンは、水に不溶なため、植物もデンプンを運ぶ際には分解して運んでいるらしい。