構造色

 細野秀雄・神谷俊夫共著「透明金属が拓く驚異の世界 不可能に挑むナノテクノロジーの錬金術 (サイエンス・アイ新書)」(ソフトバンククリエイティブ)からの要約。

  • 膜厚が光の波長と同じ程度になると、透明金属の表面と裏面で反射された光の波同士が、波長によっては強めあったり、弱めあったりする「干渉を起こし、特定の色の透過率が悪くなる。
  • 屈折率が2(ITOS_{n}O_{2}の屈折率とだいたい同じ)で300nmの厚さがある膜の透過率を計算すると、青色を透さないので透過した光が黄色に見える。
  • このような光の干渉の結果、元の材料の色と関係なく着く色を「構造色」という。
  • オパールはシリカコロイド(S_{i}O_{2}nH_{2}O)という無色の物質を主成分としてできているが、細かい(直径150〜300nm程度の)球状のシリカゲルが蜜に規則正しく並んでいる。
  • そのため、光を入れる方向によって違う波長の光が干渉してその色だけ強く見え、虹色に見える。
  • 蝶の羽がきらきらしていろいろな色が見えるのも、オパールと同じ理由。