透明金属を作るための条件?:色と電子配置

  • 図は絶縁体と半導体の電子配置。(図5-12)
  • この物質に光が入ると、光子の持っているエネルギーを電子に与えて光を吸収することができるためには、電子の元のエネルギーよりも光子のエネルギー分だけ高いエネルギー帯に電子のいない軌道がある必要がある。
  • 光のエネルギーがバンドギャップよりも小さいときには、電子は伝導帯の軌道に飛び移るのに十分なエネルギーをもらえないので、光を吸収しない。
  • 吸収係数は図5-13の様なグラフで表される。

  • 光子エネルギーがバンドギャップを越えるところから急激に吸収係数が高くなっている。
  • 光子エネルギーがバンドギャップよりも小さい波長の光は吸収されてしまう。
  • 図5-13では、バンドギャップが赤色光よりも大きい2.2eV程度を想定して描いてある。
  • この場合、これよりも高いエネルギーを持つ光子、つまり緑色や青色の光は吸収されますが、低いエネルギーを持つ赤色の光は吸収されない。
  • そのため、この物質の透過光を見ると赤色に見える。
  • バンドギャップが3.1eV(可視光の一番短い波長400nmに対応する)よりも小さい物質は無色透明でなく色が着いて見える。
  • 透明金属を創るためには、バンドギャップが3.1eV以上ないといけない。