日常の変化を電子ボルトで表すと

 細野秀雄・神谷俊夫共著「透明金属が拓く驚異の世界 不可能に挑むナノテクノロジーの錬金術 (サイエンス・アイ新書)」(ソフトバンククリエイティブ)からの要約。

  • 原子や物質の中の電子は、電子軌道という決まった状態しかとることができない。
  • 電子が取ることができるエネルギーには、図に描いた箱の中のように連続的なエネルギーをとれる領域がある。
  • この連続的なエネルギーをとれる電子軌道の集まりをエネルギー帯あるいはエネルギーバンドという。
  • エネルギーバンドの間には、電子がいることができないエネルギーがあり、これをバンドギャップ(禁止帯、禁制帯)という。
  • バンドギャップが物質の色を決める大きな理由となる。
  • バンドギャップとは、電子が価電子帯(充満帯)から伝導体に移るのに必要な最小のエネルギー
  • 電子が電子からもらえるエネルギーは、室温での熱エネルギー0.026eVの数倍程度しかない。
  • 仮にバンドギャップが1eV あると、電子はバンドギャップを越えて価電子帯から伝導帯に移ることができない。
  • 通常の電圧をかけてもバンドギャップが大きすぎて、電子が移動できず、-電流はながれない物質を絶縁体という。