太陽の色:放射色

 細野秀雄・神谷俊夫共著「透明金属が拓く驚異の世界」(ソフトバンククリエイティブ)からの要約。

  • 500℃くらいが赤、900℃くらいからだんだんオレンジから黄色へ変わり、、1200℃を越えると白みがかってきて、1400℃を越えると白いまばゆい光となる。
  • 温度を上げることで発する光の色は、「黒体輻射」という理論で知ることができる。


図 温度の違う物体からの放射スペクトル

  • 太陽の中心では核融合が起こっており、その温度は1500万℃。
  • この膨大な熱は、太陽の表面から光のエネルギーとして宇宙に放射され、そのほんの少しだけが地球に届き、地球を人間が暮らしやすい温度に暖めている。
  • 太陽の表面温度は、エネルギー放出のため、非常に低くなっており、6000℃くらいといわれている。
  • この温度での黒体放射スペクトルを見ると、500nmくらいの波長に最大のエネルギーを持つ形になっている。
  • 太陽から地球に届いた光は地上に届くまでに、大気圏を通過する。
  • 大気中のガス、酸素、オゾン、炭酸ガスや水蒸気の分子によってところどころの波長の光が吸収されたり散乱されたりして、実際に私たちが感じる光は、青色の光が弱くなり、緑色から黄色の光が強調されるスペクトルになる。


図 太陽光のスペクトルと大気による吸収

  • 大気圏外に届く太陽光は、約6000K(5700℃)の温度の色とほぼ一致する
  • 光の波長よりも小さい粒子によって散乱されることを「レーリー散乱」という
  • 散乱される光の強度は、波長の4乗に反比例する。
  • 450nmの波長の青色光のほうが、700nmの赤色光よりも6倍も散乱されやすい