褐色矮星より軽いガス球

 谷口義明著「暗黒宇宙の謎―宇宙をあやつる暗黒の正体とは (ブルーバックス)」からの引用。

 褐色矮星の質量の下限値は0.013M(Mは太陽の質量)であった。これより質量が軽いと、重水素でも核融合が起きない。つまり、褐色矮星よりダークなガス球として銀河の中をさまよう以外にない。
 このような天体が星の回りにできた場合が惑星と呼ばれるものになる。太陽の場合は、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星海王星冥王星が惑星として存在している。
 太陽は特別な星ではない。ありふれた星のひとつである。その太陽が9個もの惑星を持っている。銀河系に星が1000億個あるとすれば惑星の個数はその数倍から10倍にもなるだろう。ざっと1兆個のオーダーになる。

 星では、水素をヘリウムに変える核融合が起きている。その為、我々人間が見ることのできる可視光領域での電磁波放射が起こっている。褐色矮星の大きさになると、重水素核融合が起きていて、その放射される波長領域は、赤外線領域に移る。さらに、小さなガス球は、ほとんど放射をしていないダークなガス球ということになるらしい。地球もそのひとつで、銀河系に1兆個のオーダーで存在しているという。それでは、その質量は星に比べてどのくらいなのであろうか。

 惑星が1兆個もあるとすれば、惑星の担う総質量がどのくらいになるか気になる。ところが思ったほど大きな数字にはならない。太陽系の例を考えてみればすぐわかる。
 太陽の9個の惑星の質量を地球の質量(5.974×10E27グラム)を1として、水星から冥王星の質量を表すと、0.0553(水星)、0.8150(金星)、1.0(地球)、0.1074(火星)、317.83(木星)、95.16(土星)、14.54(天王星)、17.15(海王星)、そして0.0023(冥王星)となる。全部足し合わせると、466.66になる。太陽の質量のたった0.13パーセントにしかならない。
 太陽系の惑星が標準的なものかどうかはわからないが、少なくとも太陽系に関しては、惑星系の担う質量は無視できるほど軽い。しかも、そのほとんどは木星が占めているのである。
 惑星の質量の上限値はそもそも0.013Mである。この質量の惑星が仮に10個あったとしても、その質量は0.13Mであるそのため、星の総質量の10パーセントを超えるという可能性は少ないであろう。


[科学]褐色矮星より軽いガス球
 谷口義明著「暗黒宇宙の謎―宇宙をあやつる暗黒の正体とは (ブルーバックス)」からの引用。

 褐色矮星の質量の下限値は0.013M(Mは太陽の質量)であった。これより質量が軽いと、重水素でも核融合が起きない。つまり、褐色矮星よりダークなガス球として銀河の中をさまよう以外にない。
 このような天体が星の回りにできた場合が惑星と呼ばれるものになる。太陽の場合は、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星海王星冥王星が惑星として存在している。
 太陽は特別な星ではない。ありふれた星のひとつである。その太陽が9個もの惑星を持っている。銀河系に星が1000億個あるとすれば惑星の個数はその数倍から10倍にもなるだろう。ざっと1兆個のオーダーになる。

 星では、水素をヘリウムに変える核融合が起きている。その為、我々人間が見ることのできる可視光領域での電磁波放射が起こっている。褐色矮星の大きさになると、重水素核融合が起きていて、その放射される波長領域は、赤外線領域に移る。さらに、小さなガス球は、ほとんど放射をしていないダークなガス球ということになるらしい。地球もそのひとつで、銀河系に1兆個のオーダーで存在しているという。それでは、その質量は星に比べてどのくらいなのであろうか。

 惑星が1兆個もあるとすれば、惑星の担う総質量がどのくらいになるか気になる。ところが思ったほど大きな数字にはならない。太陽系の例を考えてみればすぐわかる。
 太陽の9個の惑星の質量を地球の質量(5.974×10E27グラム)を1として、水星から冥王星の質量を表すと、0.0553(水星)、0.8150(金星)、1.0(地球)、0.1074(火星)、317.83(木星)、95.16(土星)、14.54(天王星)、17.15(海王星)、そして0.0023(冥王星)となる。全部足し合わせると、466.66になる。太陽の質量のたった0.13パーセントにしかならない。
 太陽系の惑星が標準的なものかどうかはわからないが、少なくとも太陽系に関しては、惑星系の担う質量は無視できるほど軽い。しかも、そのほとんどは木星が占めているのである。
 惑星の質量の上限値はそもそも0.013Mである。この質量の惑星が仮に10個あったとしても、その質量は0.13Mであるそのため、星の総質量の10パーセントを超えるという可能性は少ないであろう。